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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。 
  ニッチ業界での独自の製品への提供力・中小企業ならでのスピード感・開発、製造 販売の一貫対応それは、社内風土・過去の製品・設置・工事にもしっかり対応できる・組織力が見事に活きた対応パワーです。」これは、ポンプメーカーO社の示す企業紹介である。O社は創業105年、毎年、新年度の経営計画をホテルを会場として全社員が参加、キックオフを催し、新年度の想いを共有化する。それを受けて、筆者は社員研修を担当してきた.そこで、今年度の研修テーマは「志事観で活躍、貢献力を楽しむ」とした。

 それは、社員が安心して活躍する持続的企業は社員一丸となって社会に役立つ製品を提供し,信用を得て提供を継続し,発展する元は、社員が創り出す製品、技術そして具体的最高品質、最適価格、信頼ある納期確保、そして、アフターサービスである。それには、社員が新たな年度計画に準じて、自ら楽しく志事観で業務に取り組み、計画達成に貢献することである。とりわけ、近年O社への入社社員は、「それは、当社で活躍することが私の働きがいだからです」との志に根ざし、大手企業からの転職者も多い。

◆しごとの三種=志事・仕事・死事

  さて、業務への取り組みも気概の持ちようを三種に分別できる。まず、志事とは想いの実像に向けて、志を持って自ら取り組む活躍姿勢を称し、新たな業績の実現は、自身のキャリアを高める事にある。それは、企業の方針、計画達成への具体的貢献力であり、自らの稼ぐ力として、評価制度による賃金の獲得、その重なりは、当然昇格・昇進をなし大幅アップを獲得する。さらには、新たな活躍舞台に転じる際の、自身の売れる商品価値であり、要求賃金を決めることにもなる。少々乱暴な論であるが、働き方改革の成させる楽しみである。

 対して仕事とは、つかさどること、つまり、指示、命令事項を成す事であり、自主的対応はその範囲である。

 ましてや死事との文字になれば、成す事に、心あらずに仕方なしにやる状態を称している。これでは、自分を粗末にするだけである。なぜなら、活躍は楽しむもの、その舞台は自ら選んだ会社であり、その役処で自らの持ち味を存分に生かし、「あなたのお陰です」と社内外の人から感謝されることにほかならない。それは、この世に生命を得て、自身の生き方のミッションである「社会に役立つ人・貢献できる事をする」にあったからである。

 従って、描いた志事観を持って活躍を楽しむ社員像を確認すれば、それは、立ち位置、役割の違いがあろうが次の7点に集約できる。

4つの好き精神を持っている=仕事が好き・会社・関わる人・自分が好き)=職業観
②お役立ての志で設定した目標は、必ず達成が出来る(貢献)=実績形成力
③守(基本)破(改善)離(独自の方法)のよる専門力の高め{信用)=専門力
④例え課題に直面しても、知恵を生かし、解決し結果を出せる{考働}=改革力
⑤1人で頑張るのでなく、人の協力を積極的に得られる(人間性)=人物的影響力
⑥能力は自ら高める。それは、自分の金と時間で勉強する{学ぶ)=自己啓発力
⑦心身の健康を自律して、維持向上する=健康管理力


である。いかがであろうか。この取り組みから産み出す実績は、貢献力として評価され、本来持ち得る役割を果たしタイ、認められタイ、成長しタイ、好かれタイの4タイの欲求が、喜びの享受となり、「働きがい・し甲斐がある」と笑顔で話す自身であろう。

●志事観に基づく活躍は・目標設定、責任持って、協力を得て、実績を創る

 ならばどう活躍ぶりを実践したら良いのであろうか。それは、志を単なるイメージにとどめていたのでは、実像にはならない。どう実現するか目標を掲げて本気の取り組みが楽しい。それには、明確な進捗をPDCAサイクルを螺旋状上に回して、実現していく地道な活躍を重ねることである 。まず、目標設定ヘの取り組みは

①年度毎の部門、上長の方針にリンクし当然決められている役割の目標を基点に、プラス自身が建設的にやろうと思っている目標、将来を見込んで達成しようとしている目標が考えられる。勿論決定は上司との摺り合わせが必要である。

②当事者意識で強い必達責任とする。それは単なる努力目標でなく必達目標である
から、周囲の人の協力を得る事も必須条件である。そして、達成への過程は

●PDCAのサイクルを螺旋型に回す。そこに知恵・学びの実践が不可欠

 P{計画}→D(実行)→C(チエック・検討)→A(処置)このプロセスでの最も肝心なステップは、C→Aであり、そこには変える働きかけである。なぜなら、計画時の施策は、仮説である事も多い。現実には、急激な変動があり、まさかの事態を迎えることもある。だからこそ、遅れは方法を変えて取り戻す。順調ならば更によくする方策を組み込み達成結果を高める楽しみを加える事だ。

 この際の取り組みには、「なぜそうなるのか」→「じゃこうしよう」との考働力を生かし、創造、発想、そして現実を変える改善へと楽しむ。確認であるが、考働力とは自分の持ち味(個性)を生かした仕事ぶりである。それは、「働く」とは人偏がつき、人間は考える事が出来る。ならば、自身の持ち味を生かし、智恵を働かせ、さすがの成果を産み出す楽しみを持つことである。決まったことを決められたとおりにやるだけならAI・ロボットに変えればよい。ロボットにするまでにも,人がする労力(手足の動き・知識の整理など)を部分的に機械化し、エレクトロニクス化を加え、そして組み合わせてハイテク・ロボット化としてきたのである。従って、考える力は、デジタル化をどうベストマッチングさせた活用策の編み出しも不可欠である。

 確認して診よう。新たな目標は当然、従来よりも高い目標値を掲げる。その為には当然従来のやり方を変える取り組みを前提に設定されているのである。従って、新たな努力は変える事であり、それは新たな智恵を産み出す苦労が伴い、しかも実践により確実な成果の事実を産み出すことである。苦労? それは目標達成に近づく楽しみなのだ。

●変える智恵は学ぶ楽しみ

 そこで自己との闘いは、「でも、だって」のこの言葉(経験則)をいかに変えられるかにある。経験則は現時点での最高の実践策であるから、新たな取り組みは、経験則+改革が必須である。これの対応は「経験則によるできない理由を考える事より,どうしたらできるか新たな学びによる智恵のうみだしにより「自分はやれば、新たな貢献する活躍の楽しみをもたらす人」なのである。それは、アウトプットはインプットによって変わることは周知の通りで困難な時は、本気で自己能力を高める絶好の機会であるから、出来ない自分の枠から、出来る自分になり得る可能性を自分を信じて即研鑽するとよい。

 学び内容は、専門知識、技術、情報等の幅を広げる、深溝する、新たな内容の取得、時には学び直しである。その言動は、人に訊く、書物にふれる、現地・現物を観る、新たな体験であり、その機会を、新たな人垣の環境、学びの機会を確保することである。

 その際、先ず確認する事は、自分特有の強みを確認からである。その取り組みは、自身の得意とする専門力、特技、人間味の良さ、気概の有り様など強みを書き出しがよい。なぜかというと自己分析の際、案外自身の弱みに着目しがちであり、しかも他人と比較して周囲の目を気にしての自虐が多い傾向がある。 しかし、誰しも、弱み、短所があるが、長所、強みを持ち合わせているのが現実。強みを自身が認めの確認する事により、「自分にはできる可能性を持っているではないか。その強みは、一朝一夕にできた事でなく、時にはゼロからの取り組みであった」と再認識できる。それは、新たな学びへのモチベーションに生きる。案外「玉(原石)磨かざれば、光なし」である。いずれにしても「井の中の蛙」「蛸壺思考」「世間知らず」「頑固者」・・ではなく自らの可能性を粗末にせず「ポジテイブ思考・「多面的思考」で愉しんでいく方が良い。これまでの経験則は、現在までの最高の方法、だからこそ、新たな学びを活かして、経験則+改革の変える力を蓄える事が良い。

●チームメンバーの相互支援が生きる

 そして、「他の力を借りる」心得である。なぜなら、年度の志事観での貢献は、期限があり、目標は単なる努力目標でなく必達目標だから「自分なりに一所懸命しています。」これで志が実現できることならいいが、現実には多くの方々の献身的な施しを頂く事が多い。従って、素直に指導、協力を願い「有り難い」との謝念で相互支援関係を生かすことである。そこに、各自の仕事のスピード化と品質向上の実績が創造できる。それは、組織所属チーム力による集団目標の達成に寄与でき部門への貢献力でもある。

●「たびたち」の唄に秘めた母親の想いの実現への言葉

 経営者の早朝の学びの会で歌手、舞台俳優、TVレポーターとして活躍している森田日記氏の作詞・作曲された「たびたち」の歌が披露された。製作の動機は、愛娘が所属するバレーチームの全国戦での最高峰の優勝する夢に向かってエールの想いもあったとのことだが、その歌詞には「「あせらず、くさらず、あきらめないで」の言葉がある。この言葉は、バレーチームを率いるリーダーの育成指針の言葉でもあったとのことだが。実は、愛娘の結婚式で「お母さん是非この歌を唱って欲しい」との娘から依頼を受けて歌ったとも紹介された。

 唄は「♪旅立ちのあなたに贈る言葉は 沢山あるけれど・・・」で始まり、結びでは、「♪辛いときには思い出して欲しい あせらず くさらず あきらめないで 自分を信じ 夢を掴むまで歩きつづけて-」とエールで結ばれている。この唄は、レコ-デングされ、現在、多くの結婚式で依頼を受け、お役だてしているとの事である。何れにしても、愛娘への優勝を目指す想い、そして新たな人生への旅立ちの応援歌としては見事である。

 さて、あせらず、腐らず、あきらめずこの言葉は、貢献目標を達成するうえでも共有化できる。なぜなら、継続は智可楽なり(力)だからである。確認してきたように、その過程は紆余曲折であり、その都度の施しは、は学ぶ事により困難を切り開く智恵を産み、それは、新たな能性を見出し、達成へ楽しむ強い心持ちとなるからである。それは、本気、本心、本音で取り組む志事だからこそ、辛いときこそ自分を信じて、歩み続けていこうとの応援歌でもあると共感できる。

◆環境作り如何が問われる

 ここまで、貢献による喜びは働きがいであり、稼ぐキャリアを蓄えることでもあると記してきた。それは企業の持続的発展をする人財条件であり、それには、活躍舞台を整える事に他ならない。なぜなら、安住社員の心地よい風土であるならば、志事感を持った社員にとっては居心地は良くあるまい。従って、「あなたのお陰で」と認められ、感謝される活躍の喜び作りの活躍環境を可能な限り整える事が必須の現況である。それは、社員の働く想いに、自ら進化を重ねて、社内外、いや国外に向けても通用する人財としての活躍ぶりを確立していく時代であるとの認識もあり、人生100年時代、稼ぎ続ける必要性が伺えるからである。その時、「売れる自身の商品価値は何か。それは、貢献実績に基づく新たな貢献の可能性」である。従って、企業の選択条件に、この売れる力を高め、蓄積できる社内でのキャリプランヘの対応策は・・例えば、任せる業務の配分、職種選択の自己申告制、学びの機会、公共資格・検定の取得推進、新規職種・事業の担当の公募、新規事業の提案・・本人の選択肢としての多様性が求められる。今回の研修事例企業O社はじめ筆者が関わる各社も、新たな活躍ぶりを求めての転職者に開かれた企業の一例であり、総じて、特に若手社員の活力も見事である。

 更に肝心な環境作りは、この人材を生かし、育てる上司力が問われる。時折直感する 「折角期待できる人材を受け入れても、?」と危惧することも事実。それは、上司としての信頼され難い言動、実績、人間味、見識の狭さ、受容力の乏しさである。加えて、指導力、コミュケーションスキルの乏しさも課題であり、この解決に向けた育成も必要である。しかしながら早期には、適切なる人物を上司役として起用することの指導が現実である。

 企業活動も今期の後半のスタート時であり、前期を振り返り、さらなる社員の志事ぶりを助長する時でもある。その支援・指導のお役立てに生涯現役で稼げる楽しみを今から、貢献、稼げる力の蓄積を説き、支援する楽しい日々である。

(令和5年6月 研修・講演髭講師 ビジネス教育の(株)HOPE 澤田 良雄筆)

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