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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。

 

◆地元のMSが2,000回を迎えた

 地元の経営者で学び合うMS(モーニングセミナー)が2,000回を超えた。流山市倫理法人会として、初回は昭和574月のスタートである。経年は38年に近い。開催は週1回火曜日の600から700までの時間帯を基準に、前後に約1時間の自由参加を設けての楽しく、明るい学び合いである。毎回、中小企業経営者クラス30人ほどが参加する。小生は、スタートからの関わりである。地元の経営者仲間の学びだからこその良き点も多い。

 会場には早々に、茶販売店主の会員が、自家焙煎した材料をドロップ方式で入れたコーヒーを振る舞い、美味しく頂きながらの参加者同士の談笑と、相互支援のアドバイスの交流が弾む。現在のコロナ過での対策の話題も勿論。折良く病院の看護師長の参加のときには、関心が高く談笑は弾む。業種が様々だからこその談義は、互いに新たな気づきを生む。それは、「自分なりに頑張っている」との自意識の高さも、全く異なる視点からの指摘やアドバイスを提供されると、今一度自身の考え方、を素直に診る機会とするからである。褒め・指摘やアドバイスを提供は、地元だからの情報もとらえての真にお役に立てる友愛心からである。まさに、「異見」を持ち合える仲間だからこその良さである。異見とは考え方の違いの意味合いで、各々の考え方は、経験則によることも多い。だからこそ、ここまでの経営の誇りは経験則から編み出す考えであり、こだわりも多い。しかし、相手のために役立つ施しを素直に提供し、その異見をまずは素直に受け入れてみる、この学び合いが自家発電力として蓄電できるのである。

 それは、週一回、継続しての交流であるからその場だけの話しのやりとりではない。従って、何か月後に「あのときに、アドバイスして頂いた事を、社員に実践してみたら、最近は社員が良い顔になってきました。やっぱり、トップが暗い顔していたら社内も暗くなりますね。アドバイス頂くまでは、自分はトップ自ら一生懸命やっていると自負していましたが、その表情には、明るさ、ましてや笑顔なんてなかったんですね。これじゃ、社員も気軽に私のところに寄ってきませんものね。おかげでお取引様からも最近社員の笑顔が良いねと言われてます」等と感謝の言葉が交わされる。継続する学び合いだからこその良さでもある。

◆経営者としての人間力を磨く

学び合いのテーマは「経営者としての人間力を磨く」事にある。人間力とは多くの説があるが、最も大事な点は、「おかげさまで」「ありがとうございます」「ご苦労さま」という感謝と労いの心を常に忘れていないことである。この言動が自然に成す経営者は、人生に対する姿勢・生き様(倫理観・人生観・経営観)がにじみ出るものだ。 具体的には、経営に対する高い志、利他主義での無私の心、明確なビジョン、ゆるぎない信念、人の心に灯火をともす言動、強い責任感、潔さ、勇気、決断力、礼儀正しさなどが挙げられる。そこには、理論や理屈、スキルやテクニックを踏まえつつも、それらを超えた豊かな人間性、品格、人徳というものが伴うものです。

◆この学びの機会は次の3点

①基本動作の診断 これは、参加者による朝礼の場である。声をしっかり出す、きちんと姿勢を正す、相手に合わせるこの言動の確認が目的である。例えば挨拶実習では、「おはようございます」「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と、声を合わせ、お辞儀の角度、スピードを隣の人に合わせ、姿勢の角度もチエックする。15~20人ほどの横列だがきちんと揃えるのは並大抵なことではない。

 なぜならトップは日常自己中心的なふるまいが多く、むしろ自分に合わさせる向きもあるからだ。続けて「返事の演習」に進む。演習リーダーの指揮で「ハイ!!」「ハイ!!」全員で唱和し、次には「一人一人行います」と宣言し、各自が「ハイ!!」「はい!!」と応えていく。順番が近付くと緊張感が走る。姿勢を正し、指揮者の手先に目を併せ、大きな声での「はい””」である。ピシッと心が整う。それでも「笑顔で」と指示が飛ぶ。10分間の朝礼だがその後に向けた元気さが体に宿り、創業時のぴしっとした仕事への取り組み姿勢が整う。

②講話での学び それは 毎回、変わる講話者による学びである。講話者は多才な方々である。(一社)倫理研究所、全国・県内の現役経営者、加えて地域の首長、行政幹部、社会活動・経済団体のトップ、時には僧侶、漫画家、切り絵作者、万華鏡作家、学校関係の校長、ブラバン指揮者、野球コーチ、ボクシング協会トップの方々も会員の人脈での招聘で実現している。さらに会員による出番もある。ちなみに会員には国・県・市の議会議員も学びの仲間であるのでこの方達の講話もある。

まさに、経営者の有り様を学びつつ、地域に根ざした経営者としての視野の拡大、また、人脈の広がりの機会でもある。とかく、蛸壺思考に陥りやすい経営者にとっては、多面な外からの刺激による自己診断の機会であり、自家発電の蓄えでもある。

役割の体験からの学び

 運営、場面対応に当たっても役割を担い合う、この役割体験からの学びも良い。それは、企業組織でのトップの担いと違い、指示・命令で動かすことはできない。互いを認め合って協力を頂く事による活躍だからである。進行役、基本動作のリーダー、基本動作演習のチエッカー、受付、会場準備、そして、感想会の司会等々、さらには会長挨拶、会員のスピーチ、事務連絡の役割もある。

 役割は人を育てるがごとく体験による体得がある。しかも、毎月役割担当者が交代する。学び合う仲間がこの役割体験による体得スキルは日常の活躍場面でも生かせる。勿論小生も役割を委託され尽力することもある。

◆話力向上の支援

小生の主たる支援は話力向上である。これには2点ある。

①一つは講話者を対象とした講話力向上研修である。講話者として選ばれた経営者に向けての支援である。従って、話す事のプロでなく、自らの経営体験から掴んだ経営者の有り様、施策を直にお役立てとして話す人である。そこでの指導基点は、

自らの経営体験に基づく話しは、巧みに話す事でなく、話せる機会に感謝し、聴いて頂けていることに感謝して、例え、あがっても、真摯な態度で話す事としている。

 指導方法には各自のミニ講話をビデオ撮影し、再生を自ら診断する事を取り入れている。この方法は、本人自身が多分にとらえたであろうポイントを小生がコメントすると素直に善し悪しを受け止める効果を生む。だからこそ、診断ポイントを専門家としてコメントをすると、素直に受け入れ納得を生む。その上に本人の掴み得ないポイントを指摘する事がよりブラッシュアップさせていくヒントとしてお役だてができるのである。受講された講話者が小生の会に出講されて来たときには、診断し、必ず所感としてのOKポイントの確認と、更なる向上に役立つアドバイスをお送りする。喜ばれるお役立てである。

②もう一つは、会員スピーチとしての3~5分の体験報告を主とした話し方の指導である。トップ・幹部は日常、社内外で挨拶や朝礼、各種会合、社内行事でも話す場面は多い。この対応力として学ぶ機会がスピーチの役割を生かす事である。

 スピーチされた会員には、必ず端的に言葉がけするかメールで小生の所感とアドバイスを送ることが小生の支援である。他の役割での話し方についても適宜本人に支援するお役立てもさせて頂く事も多い。

 どなたも話せる能力を持っている。「吹っ切れる」という言葉があるが、最初は、話すのが苦手という意識と、うまく話したいとの思いの間で葛藤がある。その時、ひと言でも話す実行の一歩を踏み出すことで、吹っ切れる瞬間がある。

 うまく話す必要よりは、人のお役に立つという信念の基に持ち味を生かした話をすればいいのである。話す事は同時に人格を磨いてくれる。

 周囲からの声がかかるのは、それを認めて期待している証である。声がかかったら、

謙虚な態度で受けるようにしていくと良い。「自信はありませんが、皆さまのお力添えをお願いして、なんとかやってみます。どうぞよろしくお願いいたします」と話すと周りからは「お引き受けいただいてありがとうございます。皆で協力させていただきます。なんでも言ってください」と言葉が添えられるが現実。本人取っては思いがけずうまくいったとの体験になることも多い。

●朝起きの利点は多い事は周知の通り、ならば一歩踏み出す

 早起きは三文の得とは良く説かれる言葉である。5時起床での1時間は日中の2時間の価値があるとの説きもある。それだけ、脳の働き、思考の聡明さ、身体の動きの良さなどがあるようだ。だから、個人としては、本を読む、資格取得の学習、1日の計画、アイデアの発想、また、筋トレ、ジョギング、散歩の時間として活用も多い。

 企業単位では、早朝会議、早朝勉強会などがあり、社会活動では、著名人を囲む朝食セミナー、お寺での座禅、法話を聞く、また早朝婚活なども話題にあがる。

 地域では早朝学習会の開催例も実に多い。

そこには、日々忙しいからという理由でなく、より自己磨きの場としての攻めの活用意図も多い。だから成果の実例情報も多い事も事実である。身近な人を紹介しよう。

 学び仲間に90才のN氏がおられる。日本橋の洋品店で活躍され、そして創業、85才まで事業をしてきた人である。現在もAM3:00に起床、軽く10分の運動を行い、般若心経の写経をする。既に1,500枚を超えたと言う。5:00には近隣の朝の学習会に行き、お世話役をする。火曜日は当会に参加。特技は仏像の木彫り、観音像を見事に彫り上げる。ここ数年は市民展に出品し、評判を呼んでいる。実は75才からはじめた事である。それに短歌、毎日一首は詠んでいる、これは80才から。詩吟は85才からである。

秘訣は「明るく生きる事、楽しむ事である」として、その実践が、早起き起床で、十分に朝活を生かしての活動である。

 だからこそ学ぶ気概も凄く、まさに自家発電による蓄電の濃度も高い。そして人への面倒ぶりも実に見事、役割も委託されれば素直に受け、見事に対応する人であるから慕う仲間が集まって来る。仲間からの米寿のお祝い時でも意気軒昂の酒もいける若者として現在も現役である。まさに人生100年時代生涯現役の心豊かな生き方を成されている人である。

  N氏の真似はなかなか難しい。しかし、当会の仲間も、早起きは苦手から、思い切って一歩踏み出しての参加がスタートであった。そこでの学び仲間との出会いと縁、そして、多くの学びの刺激による新たな気付きの楽しみは、いつしか朝起きによる1日のスタートが習慣化されてきた人も多い。何事にもスタートがある。スタートを切るきっかけは様々であろう。

 いずれにしても、先ず一歩踏み出しが肝心である。かつての講話で「二宮金次郎の銅像の教えは,本を読む(勉学)薪を背負う(勤勉)であるというが、尊徳翁7代目の中桐万里子氏は、もっと大事な教えは足が一歩前に出ていることである。と説く。実践する事が大事、そして小さな実践でも「積小為大」(小さな事でも良い。重なればやがて大きな事を成すことに届くこと)との言葉がある。と話された。

 

 まさに、コロナ禍、さらに、ウイズコロナでの生活習慣、企業活動、仕事推進方法は新たな思考に寄る、行動の継続による新たな習慣を創り上げていくことも必要である。2,000回記念回で副会長の洞下社長が「 成功者とは、自分磨きのプロである。良い人生とは、実践を伴った仲間を多く持っているかである」総括された。   

 自分磨きが変化対応に向けた、自家発電としての能力をいつでも取り込み、蓄えていることが強みと柔軟性である。現有の電池はいつしか劣化し、ぷっつりとなくなる。

ならばその一策として、朝の良き条件を活用しての生活習慣づくりヘのスタートの良いときである。

(令和3年9月 研修・講演髭講師 ビジネス教育の(株)HOPE 澤田 良雄筆)

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