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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。

 
 新たな年を迎えて、企業及び諸団体でのトップクラスのご挨拶で所信が表明されている。 関わる経営者の学びの会では、今年も各メンバーの「今年の抱負」を発表する事からスタートした。いくつか紹介すると、

「真価の追及(本物の価値は何か原点と整合性を診る)」とは建設機材メーカー社長・
歩む」(早く無くても一歩一歩確実に実践する)これは幼稚園理事長、
「継続」(過去の良き活動取り組みの再開)とはメーカー役員、
「挑戦」(倒産から見事に復興、新たな事業に挑む)は高級衣料製販社長、
挑戦でも「継続挑戦」と掲げたのは前年、二期赤字から見事に1,000万円のキャッシュフローを確保したご夫婦で経営する墓石関連社長である。
そして、還暦を迎える保険関連トップは「新挑戦」、
転職起業の若手トップは「平静」
更に「前進・成長」を掲げたのは、昨年トップ幹部で取り組んだ学習を実行でものにする覚悟を表明した運送業トップである。

 一方、活躍向上に向けては「無私の精神で誠実な振る舞い=メーカー役員、
「会運営の準備」を発表したのは当会役員の工具卸業トップ、準備でも「事前準備」としたのは議員事務所長、
続いて「凡事徹底」=五輪支援活動団体トップ、」
「初心」=塗装経営者が発表され、「安心・安定」と掲げたのは高齢者施設で現コロナ禍への厳しい環境整備にとりくむ副施設長、
 そしてコロナ禍での第一線に立つ看護師長は「丁寧」と発表した。
 更に「諦めない」=メーカー役員、
「優先順位の選択」と記したのは、議員と店舗経営の二足のわらじで活躍する社長、

 生活規範向上では「心機一転」はNPO法人役員、「早起き」とは環境テーマで活躍する市議会議員、
「鍛える」とは経営コンサルタント、
「いつでも笑顔」は心身の健康施術業のトップであり、
「感謝」と掲げたのはガンから生還した学びの指導者、食品メーカートップの表明である。

そして健康管理では「体調管理」は80才呻吟師匠、
「体重70K㌘とする」と目標とを掲げたのは一貫して健康を掲げてきた店舗経営者。その実績は素晴らしい。きっかけは、糖尿病の診断。「このままですと、透析の治療になります」との診断に奮起してライザップを利用し、30K㌘の減量成功、デブスタイルからすっきり型に変身、現在も日々10K㍍~20K㍍を走る実践者である。今年は更なる取り組みとのことだ。 

 元気な発表から以後、この約束事の実践を楽しみ、結果の披露し合いは楽しみである。勿論、この想いは、企業活動での目標管理とは異なり、達成への義務、責任は強くなく、あくまでも自身の自己管理による実現の取り組みであるが、見事になしえた成果を披露するメンバーも多い。そこには共通した条件が浮き彫りになる。

ここでは、このような各種団体、自身の今年の約束事に類した「想いの実現」に向けて、自己管理の過程をどう重ね、達成感を享受するか、その実践コア条件を6点提起してみよう。また、現況のコロナ禍でのオンライン、テレワークなどの在宅勤務での取り組み、あるいは、自粛要請への対応にも応用頂くと良い。まず、

1)第一歩は自律心がいかがであろうか。

 自己管理の基本は自身でPDCAサイクルを回す事であり、その取り組みは他律されることなく、自己をどれだけ律すかが問われる。ちなみに自律とは、自分は何をなすべきか、何が正しいかを判断し、決断し、自らの意思で行動することである。そこには、自ら自分の行為を規制することもあり、外部からの制御から脱して自身の立てた規範に従って行動する事もある。従って、次の6点に自ずから心することになる。

①「したい」「したくない 」との感情的レベルで事に当たることなく、想いの実現に向けた具体的事項は必須条件として取り組む事。

②「このくらいはまあいいか」のほどほど感や怠惰心を律して、最高実践に自ら追い込む強く、厳しい自己統制(全体を見て収める)を試みる。

③「好き、嫌い」の単なる感情支配による事柄、対人関係への取り組みは排する。

④計画・予定の実践段階では、自己都合による先送りは極力避けること

⑤組織常識(理念・約束事・文化・立ち位置など)を踏まえ、掲げた想いの実現に合った行動をするとの自覚を持ち続ける

⑥人間の良心、自らの内なる純真なる声に従って、自分の言動を厳しくコントロールすることに留意する。

 自ら呪縛する感は否めないが、自由な選択行動だからこそ敢えて律する心得の提起であり、それには、想いに対する気概如何がどうあるかが前提となる。その前提条件は本・気に集約できる。

2)3本+5気の原則

3本とは、本心、本物、本腰

例えば、掲げた想いが単なるその時の気持の表現であったり、その場で掲げる義務の対応であれば、その想いは作品であり、本物、本心とはいい難く、実現に向けての本腰入れての実践は難しい。何事も本腰にならねば、良い実践はできないし、新しい力、知恵も生まれて来ない。実は、この3本は、切実感とか切羽詰まった時の影響があろう。この詰まる実態が企業、身体等の生死にかかわる段階であればおのずと本心、本物、本腰を入れての取り組みを誘発させていく。紹介例での「糖尿病診断で透析になります」「2期赤字、このままだと倒産するかも・・」等の現実を突きつけられたときに湧き上がる想いはその一例である。身近な切り口例では、切実感の希薄さの例は、昨今のコロナ禍での感染防止の要請へのインタビューで「身近に感染した人がいないから」との回答に観ることもできる。だからこそ、この3は、想いの達成への実践過程での自律の甘さを左右する。そして、

5気とは

 実践へ取り組む気構えに着目し、5気をストリー化すれば、本気になれば→やる気が出る→そこに熱気が沸き→根気よく続けることにより→(歓喜の喜び)→その事実は周囲からの評価により人気を得るとなる。一例を紹介すると、昨年の想いで「月100万円の売り上げを確保します」と掲げた創業1年目のトータルボデイケア(マッサージ治療院)の院長が10月に見事に達成したと定例学習会で報告があった。仲間で賞賛の拍手を送り、その経過をお聞きすると、「1才の子供を育てながらの創業1年目、HPも単なる紹介でなく、差別化した治療法、ご利用者の声、写真(了解)などの編集にこだわり、人脈による会合参加(子供同伴)など、できる事は、最大の取り組みをしました。おかげで、支援者も広がり、月売り上げ100万円を達成しました。勿論コロナ禍ですので毎月とは行かないことは事実です」とまさに「やったー」との歓喜での回答であった。なるほど5気による実践の集積である。だからこそ、当会幼稚園理事長から、職員への福利厚生としての導入支援もあり、会友としての相互支援の自然発生も喜ばしいことであった。5気の実践の賜は人の心を動かす人気パワー形成といえる。勿論実践時は、

3)実践は今できることの最高実践を心する

よく、二人の自分がいるという説を聞く。それは、「やろう、やらねばとする自分と、やってもやらなくても周囲からとがめられることはない。今やらなくても良いという引き留める自分です。この時に勝つ自分は、引き留める自分なのです。」という内容だ。誰しも程度の差あれども肯く(うなづく)ことであろう。とすると、他律されることなく、義務・責任が強く問われないときにはなんといっても、この後者の自分に勝つことが不可欠となる。

そして、実践時の徹底は「今できることの最高実践」である。小生の指導理念は、一期一会・一話入魂であり、一期一会とは「茶会の心得して、この茶会がまたあるとは限らない。ならば茶立ての人は最高の心と技を施し、頂く人は、その素晴らしさを存分に味わうことである」即ち、一生に一度限りの大切さを説いた言葉である。この事を、先日お会いした、ボクシング界での元東洋太平洋ライト級チャンピオン坂本博之氏は「一瞬懸命」を信条にしていると話された。闘い、一発で勝敗が決まるこの厳しさの極限での活躍だからこその言葉だ。一生懸命、一所懸命、一瞬懸命、この懸命とは力一杯頑張る事である。いずれにしても「あのときにもっとやっておけば良かったとの「たら・ればの理由」を可能な限りなくす一期一会の最高実践に他ならない。 

しかしながら、懸命な取り組みにも、楽しさがなければ疲れてしまう。楽しさを持つことも自己管理の重要ポイントである。

4)実践を楽しみ、達成への楽しみをつくる

 よく苦労を乗り越えたと言う。しかし、これは結果論である。その渦中にいるときは、ただ目の前に出くわす厳しい、辛さ、悲しさ、苦しさへの対応そのものと言わざる得まい。これを乗り越える気概や創意工夫の実践が想いの実現ヘの近づき、だからこそ、そこにはワクワクする楽しみを持つことが良い。小生主宰の話力向上教室の今年の学びの心として「我慢」と掲げた受講者がいた。なぜかと問うと、「たとえ面倒なことがあっても、我慢してでもクリアすることができれば楽しい、嬉しい事にたどり着く、そう思い描いて取り組む心の持ちようです。」と笑顔で解説した。65歳の女性で昨年ゴルフを本格的に取り組み、マイクラブを揃えて、コースデビューを果たしたまさにポジテイブ思考の持ち主だからであろうか。

思い起こせば重量挙げ五輪金メダリストの三宅義信氏から「苦労は楽しいです。それは目標に向けて一歩進む事であり、苦労が実れば目標達成に一歩近づくことなのです」とお聞きした事にも通ずる。苦あれば楽ありとの言葉もあり、今年は辛丑年(かのと・うし(苦難を乗り越えて新たなステージに移る変革の年との意味合い)ならば、辛さに逃げることなく一工夫の施しを楽しむと良い。辛さの漢字の上部に一本線を入れると幸せの文字になる。

 視点を変えてみれば、苦労は自己の財産作りも楽しめる。というのは、ベテラン社員研修で凄みのキャリアの基を考察すると「いろいろの苦労体験があったからです」との受講者からの誇りある経験論に行きつく。それは体得された暗黙知であり、現象を表面で捉えることでなく、なぜこの状態の要因の推察、さらにどう変化していくかを読み取る予知能力で、難解な課題をクリアしてきた実績だ。実は、この凄みはAIの素となり、ロボット、自動、無人とのハイテクを編み出している事は周知の通りなのだ。「苦労は買ってでもしてみよ」こんな言葉が飛び交っていた時代があったからこそ現在のハイテクが生み出せるともいえる。苦労は人生100年時代、生涯売れる能力を体に宿す自己成長の種なりといえそうだ。

今一度確認してみよう。仏教詩人板村真民さんの言葉にも「念ずれば花開く」との言葉がある。難しい事だけどもやろうじゃないかと新たな苦労をつくり、実際にやる努力を続けていれば必ず事は成る。”もうできないだろう”と辛さからさじを投げたら、実にもったいない。

ワクワクと楽しく、楽しみづくりを重ねる事が良い。何なら、人の力を借りることを楽しむことも良い。それは、

5)セルフリーダーシップの発揮を楽しむ

 自己マネジメントは、決めたことをどのようにやりくりし達成するかである。そこにはセルフリーダーシップの発揮も楽しむと良い。それは、自身でマインドを鼓舞させる働きかけや、人の力を借りる働きかけも必要だからである。その発揮は企業組織の現実の活躍ぶりと異なりはあるものの、自らの想いを、公開し、関わるたて(上下)よこ(同僚)ナナメ(外部・専門者)の協力を得て成し遂げる事は同様である。従って

  自身への働きかけ

 「あなたならできる、と自己を認めてマインドを鼓舞し、時には、戒め、さらには新たな学びへとの誘いや課題解決へと引っ張り込んでいく自身への施し。

  人の力を借りる働き掛け

自己力での限界があれば人の力を借りる働きかけをなせばよい。すなわち、PDCAサイクルをスパイラルに回すうえで、Cの検討結果ヘの対応時、良ければ更にもっとやってみようと楽しみ、悪ければ、じゃどうするかと本気で立ち向かえば、それは他の力を活用する相談、知恵を頂き、手を借りて乗り切ればよい。よく、「挫折しかけましたが、人の知恵も借りて継続した結果です 」との報告があるがそのものである。「おかげさまで」」との感謝の言葉をかけ合うことも共に寄り添うパートナシップのすばらしさである。だからこそ、他の人の力を生かす、リーダーシップの実践がそこにあり、実現結果の質、スピードは人の力の活用により決まる事も確かである。

6)地道にゆっくりと、この心持ちが良い

 「ゆっくりいくものは無事に行く  無事に行く者は遠くまで行く」との言葉がある。慌てて動けば事故を起こす確率は高い、そうすると目的地まで行けなくなることもある。逆にゆっくり行けば事故を起こさず、たとえ起こすことがあっても最小限に食い止め、最終的にたどり着くと理解できる。 冒頭の掲げた言葉にも「歩み」早くなくても一歩一歩確実に、「丁寧」があった。ゆっくりの実践は、丁寧、確実、確認、末を乱すな、後しまつの大切にする事であり、この無精がトラブル発生の要因になる。ゆっくり、そこには余裕を持った間合いを生かすことも良い。今年は丑年 ゆっくり、ゆっくりと逞しく歩む特徴にあやかり、一歩一歩近づく楽しみを味わいながら目的(想いの)への到達も楽しい。

 

新たな想いは、心豊かな人生づくりにとっては不可欠である。それは、その時代、その年に自身の足跡を歴史として残せるからである。足跡は個人に止まらず、活躍する組織、企業

の発展の軌跡として生き続ける財産となる。今年はコロナ禍でのスタートだからこそ、かつて無い年としての足跡が残せる楽しみである。

 自由に想いを掲げ、紆余曲折の実践過程を累積して、今年を楽しく語る場面を描き記した6条件がお役立てば幸いである。

小生の想いは「デジタルになじむ」。この髭日誌も、写真、動画を組み入れ、パワーポイントを生かしてのオンライン研修も楽しみたいと念じて記している。


(令和3年1月 研修・講演髭講師 ビジネス教育の(株)HOPE 澤田 良雄筆)
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