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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。

 

  コロナ感染防止に関する要請事項が次々と出された。決して強制でなく,指示命令でもない。どうぞお願いたしますであり、そのお願いとは「協力」というキーワードである。緊急事態宣言解除時でも関係者からの言葉は「国民皆様の協力で・・」と感謝の言葉から始まった。この時期、実に多くの協力を得ての活動も多い。小生も協力要請しての活動の立ち上げや、協力に参画しての活動もある。そこには、今だからこその協力がもたらす凄さもあるし、課題もある。今回はこの「協力」に着目して実効を生み出す協力推進策の確認事項を見いだしていく。

◆にわか活動推進の自主的協力に感謝


小生の地元経済団体で担う役割に160人の部会活動推進がある。部会の会員構成は教育、金融・保険・各種士業、IT関連、健康、医院等を事業とする人たちで、いわゆる専門家集団ということになる。この強みを生かして、この時期、団体が銘打つコロナ感染症対策キャンペーンに準じて何が出来るかを探求し、立ち上げた活動が2つある。即ち部会推進による活動である。その一つは


新型コロナウィルス感染症対策支援プロジェクトチームの立ち上げである。その目的は開設された経営相談窓口は、公的支援策の融資・補助金・給付金などの有効活用に関する多くの案件の相談が寄せられ業務の多忙を極める。そこで、部会会員の擁する士業はじめ専門力を提供して多忙業務の支援を目的とした活動である。協力頂くメンバーは自主的協力者として公募し、20人のメンバーが揃った。
 スタートに当たってミーテイングを開催し、活動の目的の確認から諸条件を意見交換し共有化した。特に支援活動の対価は相談、書類作成、申請手続き、採択などの諸条件はあるものの通常に比して配慮頂く事とし、決して無料としない。

②もう一つの活動は「 フエイスブック投稿によるお役立て活動」である。この目的は部会会員の持つ専門力でのお役立て情報をHPにリンクされたフエイスブックに提供、配信を通じて地元事業者の現在の厳しい対応状況に対する活力の育みに貢献する事である。内容は、健康対策・運動・音楽の提供・感染対策の具体的実践法、食事、業務の工夫、公的支援金制度の活用、ステイホームの楽しみ方、自社のイベントPR、役立て情報として、投稿、動画、チラシを活用し送信。受信内容は部会会員による編集担当者を決め、目的との整合性を検討し、より効果性向上のために最小・最善の加工をすることもあるとした。現在推進中で、プロビオラ奏者による演奏を3回シリーズで提供する動画が好評、セミナー講師によるステイホームでの一言の交わし、会話の楽しみ方、オンライン、ZOOM会議などでの単純明快な話し方などに”いいね”の評価が続いている。(是非閲覧下さい)

◆協力への3条件、だからこそ感謝と寛容と反省

 この二つの活動の協力は、自主的協力に委ねた活動である。従って協力いただけた方に感謝、対応いただけなかった人には寛容と反省が原則である。なぜなら、協力する事への条件へのマッチング如何が左右するからである。それは、次の3点である。
 ①目的内容に則した能力の是々非々
 ②時間提供、経済的提供の可能性
 ③主催組織、主催者への帰属意識と信頼程度


 いくら心が動いても能力が伴わないときには無理。さらに、忙しい中での協力は時間提供のためには犠牲が伴い、遂行するには諸費用がかかる。それだけ提供するゆとりが現実に可能かどうかであり、その前提は、ここまでの組織活動への入れ込みであり、還元の享受加減さが問われる。さらには主催側に対する信頼であり、心情的借りのあるなしでの影響も無視できない。従って、協力頂ける現実は、この3条件に多少なりともかなっていることであり、協力が不可能な場合は、3条件が遠いことになる。だからこそ、主催者は攻め心でなく、自省する機会とし、良き条件を整える改善策に役立てる事にほかならない。決して、依頼側が企画、活動に自己陶酔して、想うような状況が出来ないときに、協力者は讃え、その反面、協力不可能な人に対する悪人扱いする事があってはならない。重ねての確認である。命令ではない。判断、意図、実践の選択は自主的で良しとする事である。この寛容さが、又の機会に新たな協力を頂けるのが現実である。

◆長い組織での活動における協力関係の素晴らしさ

 小生が長年関わってきた地元経営者の楽しく人間力を学ぶ会(倫理法人会)での週一回のモーニングセミナーの開催がある。この時期、会しての集合セミナーは中止。 ならばどうする、この期間の繋ぎ対応にI会長はすかさず手を打ち、会員がそれぞれの持ちうる力を寄せ合って活動の継続条件を整えた。 その対応は会員の提案により、ZOOM会議方式を取り入れ実施。日常デジタルコミュニケーションを活用している会員がホスト役となり、参加方法を会員に紹介、対応条件の不十分な会員にはきめ細かなサポートを施した。小生はカメラ機能が無く、購入も困難な時、それに、操作方法が乏しい。すかさず会員から動画の説明資料を送信頂く。カメラについては会長自ら四方八方手を尽くしライン活用で購入に成功。早速の取り付け、当日操作の試し体験まで施してくれた。だからこそZOOMMSに参加している小生である。まさに、会員の声を生かし、会員各自の持ちうる能力を組織に生かし、トップ自らの目的実現に向けた尽力に傾注したといっても過言でない。

 立てた喜びであろう。この事例から導き出される確認事項は
〇トップのここまでの信頼度は、いざというとき会員の惜しみない協力心を呼び起こす


〇メンバー各自の強みをどう生かし、弱みをどうカバーするか、その相互支援力が新たな必要条件を整える。


〇いざ求める協力は、そのときだけの条件のみでなく、関わる人、組織にそこまでの成してきた施し、またおかげさま如何によって決まることでもある。心情的貸し借りが左右するといえる。


〇トップの本気度の熱量が、関わる人の心を動かす。「この人のためなら」に類した言葉が協力心を高める前提条件である。

〇組織集団の新たな取り組みへの関わリ、体験は集団の結束力を高め、メンバーは新たな体験による自信を得、今後に向けての新たなビジネススタイルのヒントを得る機会でもある。  といえる。

◆危機感を共有したときの協力関係の凄さ

  それは本気で危機を感じたときの沸き上がるメンバーシップ、苦しいときだからこそ誰でも必死になる・そこに強い協力関係が構成されるということである。
  地元の学び(倫理法人会)仲間の食遊館A社はヘルシーをテーマにしたお弁当・サンドイッチのテイクアウトが好評である。種類は弁当ローストビーフ、自家製チーズバーガー・自家製週替わりバーガー・自家製ヘルシーサンド、おからハンバーグとマリネ、食前に食べるおからヨーグルト、これは美肌効果、腸内活性化効果ありとの事、ご飯は勿論雑穀米である。食材とする野菜、果物は地元農家との連携で育てられた新鮮でうまみ豊かである。商店街に位置した店舗であるので、食を主とする店舗も数店、コンビニもあり、この時期流行のテイクアウト商戦は厳しい。しかしながら、評判は高い。なぜ、Y店主曰く、「若手女子社員が積極的に考えを出してくれ、それを商品化しています。皆、よそにないもので喜んで頂き、又来て貰えるようにしようと頑張っています。その力です。感謝です。」と明るい表情で答える。実は、昨年11月に転居しての新店舗である。だからこそ、評判作りには尽力してきた。そこにコロナ感染騒動の想わぬ事態に襲われた。だからどうする。社員も閉店、解雇、降りかかる危機感にどう立ち向かうかの必死さが活路を見いだしたのであろう。苦しいときだからこそ誰でも必死になる。 本気で危機を感じたときの沸き上がるメンバーシップの凄さがここから起こる。平時の時には魅せない潜在パワーが、有事には爆発する。火事場の馬鹿力とのいうことでもあろう。
 テイクアウトでは、地元でも、一店舗単位でなく連携プロジェクトの発足によるマップ作成、他市では配達にタクシー業界が連携するとの話題も目につく。

〇いざというときの協力とは湧き上がる力を生かし得る。それは、個から連携まで発展し、この時だからこその協働力として相互の支援を形成する。「働」とは人の力を重ねると捉えての確認である。

◆協力の創り出す上下の取り組み条件を確認して診よう

 
 改めて「協力」の文字に目をかけてみると「協」の忄は心、上に大きめの力が来て、その支えの部分に小さな力が並ぶ。敢えて意味づけすれば、上に立つ人の大きな器に一目置かれ、志が逞しく、メンバーもその志を共有しサポートパワーを発揮する。だからこそ上下の志と達成への心意気が一つとなり、そこから大きなとして組織・集団が強力となる。と捉える事も出来る。ならば、平時の時はさておき、いざ、有事の時の協力関係の有りようについて確認事項としてまとめてみよう。それは、上に立つ人の11(いい人)項目となる。

〇こんな状況だからこそ上に立つ人の協力関係を創る11の確認

1.新たな風を創る明確な方向性(目的・目標)明確に示し、迅速なる共有化をはかる。
2.経営(組織集団)情報を提供し、メンバーに発想する自由度を与え、それを発信する場を 作り、組織活動にスピーデイに生かす。
3.あれこれの自己で造る囲いの姿勢を脱し、新、初、独自の攻めのパワーに切り替える
4.何かしなければとの気持ちばかりが多くて足が地につかない。ならば、他人の力を生かす

5.平時時の経験則をからくる保守的リスクを脱皮し、創造的破壊の度量をいかす
6.各自の強み、弱みを掴み、生かすための任せ、または具体的実践レベルでの育成を施す
7.自分と異なる考え方の異見を歓迎し、新たな視点で周囲を見る。そこに有事の知恵が沸く

8.現場、現実、を直視し、都合の良い逃げの仮説を立てない、この時だからこその率先垂範 が生きる。それは、他との連携への模索でもある。
9.探究心を生かし、表面的にとらわれない、誘いの働きかけにも物事の核心を掴むこと。正 しい判断、価値ある決断はこの事が前提

10.過去にとらわれず未来を生み出すには今、ここで何をすれば最善かと、適宜企業、組織 理念、方向性との整合性を確認する
11.心をゆったり、人間としての幅の広さ、奥行きの深さからくる、人、活動の動き、情報から 感じとる力を生かす

◆11・160・200・5 の数字が示す感動

 れからの組織活動は、「新」がキーワードであろう。ならば、関わる人は組織の状況を正しく理解し、示す目標を丁寧な説明の施しにより各自が納得、役割意識の自覚のもとに 全員が主役として、個性(能力・適性)が融合化され、総合力を強力にしていく事が求められる。その推進は、指示、命令での動きもあるが、その実効は協力するとの意思如何によることも現実である。だからこそ「一致協力して」と銘打つ、「皆さんの積極的協力を得て」という願いが付加される。「新」の実現に今回の確認事項が役立つのであろう。それは、我が国の「人と人」が産み出す風土、文化の素晴らしさを信ずるからである。

 「夜空に届け、悪疫退散、全国200カ所で花火が打ち上がる」の報道があった。残念ながら観ることができずであったが、6月1日午後八時「新型コロナウイルスに負けないよう花火で元気や希望もって笑顔になって貰おうと想いを届けたいとの決行だ。周知のとおり、今年度予定していた各地の花火大会の中止の報も多く、また祭りごとに伴う花火の打ち上げも自粛である。業界にとっては最も厳しい状況である。ならばどうする、若手職人11人がプロジエクトを立ち上げ、周到な準備を整え実施された。それも、従来と違え、3蜜を避けての場所の公開無しの実施。幸い、観た人たちからの感謝の声は多い。「大変な状況の中、企画してくれた花火師さん本当にありがとう」「元気を貰った」「コロナも吹っ飛んだではないですか」インタビューに答えた人々の表情は笑顔だ。凄いことだ。今回の花火師11人の想いが、160業者の強い協力を得て成した200ケ所の5分間一斉の花火大会実現の快挙を成し遂げた。結束力の素晴らしさに敬服する。それは、我が国の持つ各種組織・企業・チームの強みを象徴する一例として感受したからである。

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<お役立て研修・講演のテーマを考えてみました。>

 〇協力推進策の決め、その実践法はこうする


 
力あふれる組織力の高め方


 〇チーム力を高めるリーダーシップの実践法


 〇上に立つ、ならば集団パワーをこうして創ろうその実践法は


 〇個性を生かす、ならばこう組織に働きかけよう。その実践法は


 〇“新”を創り出す、社員の活躍の楽しみ方


 〇 新たな活躍ぶりは、自己を最高に生かし、楽しむ事その実践法は・・


(目的・対象者の特性・時間の条件に応じて企画提案いたします。当メールに返信頂ければOKです)

(令和2年6月 研修・講演髭講師 ビジネス教育の(株)HOPE 澤田 良雄筆)

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