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PDCAサイクルをスパイラルに回す

 建設工具機器トップメーカーのS社の0.5才、1.5才社員のフオローアップ研修を担当した。入社後の活躍ぶりを確認し、更なる喜働の心意気を高揚する機会としてである。S社の人財像は3本柱。それは創造(新たな価値創造を提案できる人財)挑戦(失敗を恐れず果敢に行動する人財)共生(多様な価値観を尊重し、共に高め合える人財)である。幹部講話ではK本部長の「若い社員だからこそ、新なる仕事を創り出す活躍を期待する。その為には振り返りをしっかり成す事」と示された。そしてT担当者によるPDCAのサイクルを習慣化する重要性が説かれ、今研修の軸とした。 軸に沿って2日間、重ねてきた担当者との打ち合わせ事項を最適に活用し研修の施しを実践した。スタート時から受講者の変わりゆく成長が嬉しい。例えば、課題演習への取り組みでは、他チームに優る挑戦、その為の方法の創造、そして協力関係が生きた共生の実態が伺えた。各自の発言、役割行使の言動にも変化が観える。

 振り返りは、入社前からの想像での「想い」、入社後の活躍を重ねる事による現実から新たに設定した「想い・目標」を確認し、現在を診断することである。案外想い・目標は掲げるが「ああして、こうして計画満点実行せぬが玉のきず」との言葉がある。更には、P(計画)し、D(実行)してはいるがそのC(検討)が成されてないことも多い。「想い」の達成への昇る階段は厳しい。だからこそ踊り場を決め、昇ってきた課程を振り返り、現実を評価し、次に向けた最適条件を新たに産み出す再考が必要である。なぜなら、当初の計画はその時点で考え出した最髙策であるが、その後インプットされた学びは(知識、情報、体験・・)新たな発想を促す。そこにCによるA(処置)として達成条件を高めていく意義がある。

想いの実現は新たな学びなくして成されず

 「努力を糧に、ゴール無限」とは「メキシコ五輪マラソン銀メダリスト・ボストンマラソン優勝者君原健二氏の名言である。42,195K㍍をどう記録を生み、走りきるか、その課程は電柱を生かすとのことだ。それは、苦しいときでも見える電柱までどう走る、通過したら新たに見える電柱までどう走る、その時の経過距離、疲労、天候、風向き、他選手の状況、道路状況などを踏まえて対応するとのことだ。まさにPDCAのサイクルが闘いの中に見事に生かされている。

 ゴールの無限は、新たな想いの設定であり「新たに両手を挙げて切るテープのゴール」である。その達成への努力には「新たな学びが必須条件」である。なぜかと言えば、それは想い・目標とは今出来ていない事であり、目標達成とはできたことである。ならば、その、ギャップを埋めるのが現状を変える新たな創造、改善策としての計画だ。しかし創造、改善の智恵は新たな学びなくして産まれまい。よく聴く「できません」それは正論。だから明日はできないということではない。教えを請う、本を読む、調べる等の学ぶ努力ができる事への方法を引き出すからだ。インプットが変わればアウトプットが変わる如し。

 そこには上司・企業の育成に関する働きかけが欠かせない。それは、部下の目標達成支援者として「学びの機会を設ける」「指導を施す」事が成すべき責任だからである。部下の目標未達成は上司の育成怠慢に他ならないし、企業の育成への施しの不十分さである。

若きパワーは、本人の学び得る努力と+環境、支援

 今年の出来事では、14才の棋士藤井4段が29連勝、100メートルランナー桐生選手が日本人初の9秒98をたたき出した。卓球・フイギア-競技、バトミントン、相撲界でも若手選手、力士の活躍が話題となった。まさに若きパワーの貢献である。その取り組みは、好きだから、必ずトップを獲得するというすさまじい執念に根ざした学習の蓄積、そして鍛錬の凄さがある事は言うまでもない。しかしながら本人の努力だけではあるまい。そこには、本人の取り組みへの支援、指導の環境、条件づくりも素晴らしい。それは、両親、所属企業、学校、専門者のチーム編成等による最適な指導・支援の賜がある事だ。だからこそ、想いが実現した時(最終でなく、一里塚であるが)関わった人のお陰ですとの感謝の言葉が自然に話されるのである。

 企業・行政活動でも、若手社員の想い(目指す自己像・目標)の実現のために新たな学びの引き出しとその支援、働きかけの育成政策は大切である。S社の研修の結びは、来春4月の自己像をビジョンとし、その実現策としての実践目標の設定、そして新たな学びの自己啓発目標の設定を支援した。そして、上司による実現に向けての助言記入を依頼し、実現のためのOJTとリンクした。1ヶ月経過事に進行状況チエックを実施する。その都度本人から上司に報連相を実践することによりPDCAのサイクルはスパイラルに回るだろう。小生の想いは、0.5才社員は来春新たに入社する後輩の憧れの先輩として、1.5才社員は任され責任もって活躍する逞しい実力社員としての成長が楽しみである。

 若手社員の成長は企業の新たな強みを増幅する。ふと、70周年を迎えた和洋菓子メーカーS社の記念誌座談会のテーマが頭に浮かぶ。若手社員対象のテーマが「OLD&NWEでいつまでも私たちの力で永遠のS社をつくろう」であった。会長の「”夢と感動の世界”を若い力で実現しよう。」との言葉を受けての事である。

 今年も多くの企業研修を担当した。50周年、60周年、70周年、5年後は100周年、来年10周年との企業もある。歴史と改革あっての企業力である。改革力の肥料はなに。根・芯の強さ、新たな枝の育て(剪定)、による花の開花と実りはなぜ実現するか。それは社員各位の「学ぶ力」である。そこには「学べる企業・職場の環境」があり、「学び楽しみを増幅する憧れの指導者」の影響力に他ならない。

学ぶ起点は初心なり

 お役立て情報として国内外、県内、市内の今年の10大ニュ-ス、流行語大賞、今年の漢字等を地域で学ぶ経営者仲間に提供した。作成の過程で面白いのは、過去3年、5年、10年と確認できることだ。例えば今年の漢字は「北」(北朝鮮ミサイルの北海道落下や九州北部豪雨等から平和と安全の尊さの実感した年であり、北島三郎氏所有のキタサンブラックの活躍もあった。昨年は「金」(オリンピックで金メダル12個獲得・金にまつわる問題・ブレイクしたピコ太郎さんの服が金色・・)一昨年は「安」(安全保障関連法の不安・テロ事件、異常気象の不安・・)であった。なぜ、選ばれたかの解説に注目するとその年の特徴が再認識できる。

 目を引いたのは、「ちーがーうーだーろー!」トップテン落選との見出し。流行語大賞の解説である。大賞は「インスタ映え」「忖度」だが、気になった言葉がトップテン10位の「〇〇フアーストである。トランプ大統領のアメリカフアースト、小池知事の都民フアーストが際だつた事は言うまでもない。しかしながら「ちーがーうーだーろー!」「さらさらない。排除します」「(市)議員をなめてんのか」・データー改ざん・検査員の無資格社員の担当・接客者への暴言、土下座強要、更には死傷犯罪の動機・・。の今年の報道を見聞きするに付け、〇〇フアーストは誰にあるのだろうと訝る。○○の為に、顧客第1、利他主義、倫理観、コンプライアンスの文言は自己、自社に都合の良く掲げる道具なのだろうか。初心はそうではあるまい。いつの間にか育まれた驕り、高ぶり、自己中第一主義ではあるまいか。「学ぶ起点は初心にあり」と今だからこそ確認すべき時世(とき)である。

相田みつをの言葉に学ぶ

 年の瀬、今年を振り返る。重ねてきた実践を確認し、進化ぶりを素直に捉え、是々非々で評価、予測を加味して新たな想いを創る。PDCAサイクルの上昇型スパイラル状態を新たな年に向けて構築する楽しみの時である。スパイラル継続は新たな智によって可(能)と成る。新たな智は学ぶによって創られる

 相田みつをの言葉に「花を支える枝 枝を支える幹、幹を支える根 根はみえねんだなあ」というのがある。根が重ねてきた底力であり、歴史であろう。そこには、悲喜こもごもの事態に遭遇し、さらなる肥料として学ぶ事の施しがある。肥えた土が新たな改革力を産み、その栄養分が逞しい幹の年輪となる。そこから新芽、枝、花、実の実績の産み出しがある。と解釈ができる。育てる、学ぶ事の大切さを説く言葉でもある。新たな年に向け、根ざしたパワーを確認し、新たな学びの策を立てる事がよい。

 小生 来たる年も、学びへの施しを最適に尽力する事を覚悟し、本年のご協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。どうぞ良き年をお迎えしますことを確信いたします。

 来年度もどうぞ諸処の研修・講演お役立てます事楽しみにしています。

どうぞ気軽にご一報くださいませ。共に良き研修を創り、実効ある研修を実施して参りましょう。

 

(平成29年12月年の瀬 研修・講演髭講師 澤 田 良 雄筆)

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