<皆の喜ぶ笑顔が大好き>
◆「施しは貯金なり」会長の言葉
この言葉は今回の研修テーマである。言葉の発信者は研修グループH会長。ベスト業者会と称し、地域での食に関するトップ企業経営者の学びの会だ。各々の食品を扱う割烹店・ホテルレストラン・出張料理、食品製造、ユニホームクリーニング,店、内装設計、建築、経営コンサルタント、士業等々とその道のベスト企業経営者の構成だ。まさに高度人材のネットワークである。H会長は青果物を全国的に供給する事業展開している。天候、自然災害など思わぬ事が起きても決して顧客に迷惑かけない。その為には多くの手を打ち多くの施しをされている。なぜならそんなときこそ「おかげさまで助かりましたHさん。」と顧客が心配を一笑し、感謝の一報を頂くことが嬉しいと言う人だ。
また、特技の絵と言葉を組み合わせた独特の創作画は,各地の店舗の壁を飾り,壁画として室内を引き立てている。実はタイトルの言葉もH氏から頂いた額入りの創作画に描かれたものである。笑顔の文字は笑顔の絵が生かされている。まさに微笑ましさを醸し出している名作だ。絵の評判の良さは当然「描いて下さい」とのお声がかりが多い。「良いですよ」快く引き受ける。「おいくらですか」の問いかけには「無料なり」と答える。「それホントですか」大方はお礼のお品をいただくと笑いながら話す。実際の値は相当なのであろうと察するが、「喜んでくれる事だけで良い。施しは貯金なり」がH会長の持論である。貯金はいつの日か笑顔の感謝の利子を付けて返って来るという。
◆創業塾でのミッションも同様
「皆の喜ぶ笑顔が大好き」このミッション(想い)で取り組んでいる学びの場が創業塾である。地元経済団体主催で実施され、小生も講師陣として関わっている。小生の務めはプレゼンテーションに関する指導である。プレゼンテーションで大事な事は創業にかける自分の想いや情熱を伝えて,その実現策としてのビジネスプランを提案することだ。その元(ミッション)が皆の喜ぶ顔がみたいという想いである。ならば、「喜ぶ顔を」とはどういうことか。それは,現状顕在化している様々の利便性をより向上させることで有り、困り事である不の解決を成してあげることだ。具体的には現在の生活、仕事上で一応の満足をしている事でも「もっと」「さらに」の欲求の芽生えである。敢えて作る「不便」「不安」「不満」「不平」「不潔」「不信」さに、もっと良いものないだろうか,もっと良い方法ないだろうかとの潜在欲求を満たしてあげることだ。そこには新製品、サービス、システム、指導法、作品、技術・・による新しい価値の創造への挑戦である。従って、既企業への不備を攻撃しての挑戦行動でもあり、「このようなものが欲しかった。ありがとう」との笑顔での評価を実現することである。創業イズムは社員の仕事の想いである。
◆社員の描く仕事の想いも、お客様の喜ぶ笑顔が大好き
●70周年を迎えたお菓子メーカーS社では「お客様が当社のお菓子を一口頬張ったとき「美味しい!!」とニコッとするその笑顔を想い仕事をすること」とのイズムが徹底している。それは創業者の言葉「いいか,お客様を思って,正直に親切にしろよ。お客様は思われた人を決して忘れない。思いが届かねえのは,思いがたりねえんだぞ。」「S社の初心はなんだったかというと,何でもいいからお客様に喜ばれる店になろう、それにはとにかく正直で親切な店になろう。これしかありません」と70周年記念誌に紹介されている。この想いは、「お客様に夢と感動を与えたい」との経営理念として現在に受け継がれている。
次なる80周年・100周年へと歴史づくりに、継承してきた古き良き事はいかし、新たな変わり様を創造する若き力の融合で、お客様の喜びのづくりをさらに進化させている。小生の指導支援もここに軸足を置いている。S社のお菓子を家族で楽しむ。娘がチョコママとほおずりして頬張る様が嬉しい。S社社員の想いを家族と共に交わす笑顔である。
行政での実例もみてみよう。紹介しよう。
●「叉来てね・叉来るよ」をスローガンに掲げて行政サービスを施しているのはM町である。職員研修に出講した折、町長からこの思いを基にした指導をと託された。住民と職員の笑顔の交流がまさにおもてなしの実践である。窓口担当のAさんの一例を紹介しよう。「80才位の高齢者がお見えになりました。手続きの仕方を説明しましたが、三度も同じ事を訊かれました。その都度、初めてのお訊ねと心して丁寧にお応えしました。やがて,「こんな年寄りの話を何度も気持ちよくきいてくれてすまないね。ホントにありがたいよ。悪いけどここに書いて下さいな。うちに帰って見せるから。そして叉こさせてもらうから。すまないね。」と言ったんです。お書きし、出口までお送りしました。何度も頭を下げておられました」と話された。その場での心中はどうであったか。良くそれを越えての応対をされたと診た。しかし、Aさんの笑顔が、小生の診立ての浅はかさをを教えてくれた。そんなAさんに笑顔で「ありがとう。いい勉強させて頂きました」と感謝の一礼をさせていただいた。受講者からの学びも嬉しい事だ。
「何のために職員となったか」入職の想い(初心)それは、住民のお役に立てる喜びづくりにある。「おかげさまで手続きができた。ありがとう。」住民の笑顔がそこにある。 昨今の行政でのキーワードは,住民協働である。住民の社会活動・福祉活動も多い。当市でも秋の叙勲で40年間の人形劇団が緑綬褒章を受賞した。子供の喜ぶ顔が励みですと新聞各紙の取材にO代表はじめ団員が喜びの笑顔で答えている。我が妻もその一員である。
◆喜びを創造する上に立つ人の6つの実践
「皆の喜ぶ笑顔が大好き」いくつかの実例を記してきたが,組織活動で上に立つ人の社員への働きかけのありようを探求して見た。見えてた共通項を日常に落とし込んで喜びを創造する上に立つ人の6つの実践の勧めとして提言とする。
①役割がもたらす喜びを丁寧に説く
一人ひとりの役割の素晴らしさを「何のためにこの役割があるのか」と丁寧に説明し、取り組む楽しみを喚起する。なんとしてもその実践に取り組む熱意が、的確な智恵を考えさせ、粘り強い実行の継続力を生む。結果としてすばらしい成果を生み喜びを享受する。
②出来た喜びを得る肥料を施す
出来たの喜びを味合わせる必須条件は指導の施しである。任せる,思い切ってやってみよう、挑戦せよ。ここに共通しているのは,現存能力では不足分を承知での言葉である。ならば,不足能力をカバーする肥料を施す指導責任がある。任せたけどできないじゃないか、それは指導の無精である。勿論自己啓発支援、offJTの活用、意欲喚起の施しも含めてである。達成できた、成長できた喜びの実感も肥料の効き目である。
③報連相時のエールの施しがいきる。
報連相を受ける機会の最適活用。それは達成に向けて本人の意気込みが,報連相として「こうなりました」「ここはこうしたいと考えますが・・」このノリの良さが嬉しさとなり、「知って欲しい,褒めて欲しい,アドバイスが欲しい」との接近となる。ならば、達成に向けて是々非々での判断で「褒め,認め、アドバイスし,励まし、君なら出来ると」エールを送る。そのたびに本人にとっては達成時の笑顔が近づいてくる。
④聴き上手のコミュニケーションの実践。
耳は二つに口は一つ。聞く事が大事と言う意味だが案外無精している。忙しいから「あーしろ、こうしろ」の早口指示、上から目線の説法好きは困りもの。テレビドラマ「トッとちゃん」でも4時間聞いてくれた校長に喜び、転校する。そして今の黒柳さんがあるという。また、ベストセラー書籍「ビリギャル主人公」は塾先生が3H 自分の悪ガキ話を聞いてくれた。この人ならと信じて猛勉強により大学入試に合格。「どうせ出来るもんか」と一笑していた皆が驚いた。その塾先生が著した本が100万部売れている。聴ける人は包容力のある人。聴いてもらった喜びは信頼となり、次ぎに向けた喜働となる。
⑤引き出す支援の施し
各自の内在する魅力(能力・人柄)に着目して、顕在化する引き出す支援の施しを成す。誰でも、認められたい,褒められたい,役割を果たしたいの欲求を有している。自分なりにこれならいけると密かに持ちうる自信分野もある。しかしながら発信する勇気も乏しく、その機会を創ることが容易でない。だからこそ、多少の無理強いでも乗って見る事は多い。恥かきたくないの自意識が、更なる能力の磨きとなり、周囲からの褒め・認めがさらに自信を付ける。「貴方のお引き立てのお陰です」社員の言葉に照れた笑顔の喜びづくりがここにある。
⑥率先垂範の感化がその点火なり
ローソクは点火される種火によって灯りをともす。上行えば、下これ見習う。上の人の想いは自ら魅せる言動力によって集団の活力は決まる。率先垂範の言行一致によるオーラは、この人について行けば何かがあるとの勢いを生む。現在の喜びの享受は棚ぼた式で得る事はない。厳しい事への取り組みで獲得する実りである。その先頭に立つ器量が、やがて皆での喜びの万歳三唱である。
自分の笑顔が相手の笑顔をつくる。自分の喜びが相手の喜びをつくる。自分の元気が相手の喜びをつくる。喜びづくりは鏡の原則だ。自分の笑顔が鏡面に映る自身であり、相手である。
師走。望年会と称する場も多い。忘れる忘年会でなく、今年の笑顔の喜びの施しを顧み、来たる年に向けて,関わる人に更なる喜びづくりの有り様を考えてみると良い。新たな望は必ずワクワクする心意気を掻き立てる。それは「皆の喜ぶ笑顔が大好きの」想いの実現に向けての新たなエネルギーである。
●「実例に基づく喜働職場づくりの実践法」に関する研修・講演お声がけ下さい。
**********鬚講師の最近の出講例です*********
□経済団体 実力型社員のパワーアップ研修 2回
県内中小企業から参加された若手、中堅対象セミナー。任され責任もっての活躍の有り様、協力関係を創り,生かす仕事の進め方、自分を売り込む報連相、大勢の前でも臆せず話せるスピーチのコツ・・等を対話型講義、ワークショップを最的に組み込み進める。30名の参加者の交流も入れ込み好評のセミナーであった。
□地元商工会議所主催創業塾 プレゼンテーション指導 2回
各士による経営企画書策定を今後に生かす場面対応のプレゼンスキルに着目。御題拝借、説明演習、説得プレゼンを実践体験を主として支援・指導を施す。さすが意欲高き30名余の受講者。実効ある研修となった。
□大手製鐵所55才研修
熟練パワーの企業貢献の楽しみ方・後継者支援・種を宿す技能顕彰指導実践法、生涯 現役で自らを生かす取り組み、基本スキルの話力、対人関係力の自己分析など事前レポートの記載内容を活用しての進め方。親和感の生きた自主的学びの取り組みによる研修は節目の良き機会となった。
□建設器具機材、器具トップメーカー新人・若手フオローアップ研修 2日間
NPO法人(小生理事)からの出前講座。入社後活躍ぶりを振り返り,今後の活躍に向けて自己像をの設定、その実現の具体的目標、啓発目標設定に向けての研修。受講者間での活躍ぶりの情報交換、対人関係、チームワーク、コミュニケーションの実践スキル,5S活動と改善への取り組み、各自の課題とその解決策など参画型研修として進める。研修の軸は,幹部講話の内容を生かし、当社の人財像へとリンクした。ご担当者と共に創り上げる研修で会った。振り返り、次へのPDCAサイクルの活躍継続の習慣化へも生きた研修となった。
□諸設備の機械設計・試作・製作企業 管理職パワーアップ研修 1日
トップ・幹部ぐるみでの研修。経営力向上を期しての戦略思考、組織力を生かした活躍のありよう、マネジメント、リーダーシップの実践策を確認し、今後の活躍力アップへの方向性を創り出した。トップ講話に始まり,当社の強みを分析その戦略を討議、演習で既成概念を破る品と掴み、パワーアップの活躍策を策定した。フオローアップ研修を予定し継続的人材育成の実施とした。
等などです。
(平成29年12月 研修・講演の鬚講師 澤 田 良 雄記)
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