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◆出講企業から学ぶ挨拶力への想い

 「笑顔+挨拶=成長」をスローガンとしたN運送の管理職研修に出講した。N社長は地元経営者の間でも明朗で楽しさを醸しだす評判の人だ。先代より後継したときに掲げたのが冒頭の言葉。運送屋から企業への脱皮を目指しガバナンス力(組織統治)を高めた協業体制の拡大と強化に力を注いできた。現在200余人の社員を擁し地域業界1の存在を固めつつある。玄関を入ると社員がすかさずお迎えの挨拶でご案内し、「いらっしゃいませ」と事務所内社員からの声がかかる。研修会場では、さすが管理者、親和感を抱く挨拶言葉をきっかけに気軽に会話を弾ませる。退社時には立礼の挨拶言葉でお送り頂く。まさに挨拶の「挨」は心を開く「拶」は近づく・迫るの心と行動の実践だ。笑顔は微笑み、微笑みの心は太陽に向かって両手を挙げて包み込む様と同様。従って笑顔+挨拶は関わる人へのハグする心境での言動である。今日までのN社の成長の一因が実感できる。

 この挨拶実践は相手に寄り添う心の育みとなっている。一例を示すと東日本大震災から6年経った。小生は「忘れないで」・「伝えて下さい」被災地を訪れ現地の方から托された言葉を大事にしているが、伝える話題はN社の支援活動もある。それは福島県内の姉妹都市への支援。行政では支援物資を募り届ける支援策を発表。物資の募りと、梱包、そして輸送へ。小生も物資梱包を4日間奉仕活動に参加した。難題は輸送。現地までの道路が寸断されるなど最悪状態である。その任を買ってでたのがN運送。積み込み作業では梱包のお品を丁寧に扱い、瞬時に判断できっちりと積み込む手際の良さ。取り巻く人から「さすがですね」の声が出る。「お願いいたします」「行ってらっしゃい」「気をつけて」の言葉に、姿勢を正して「行ってきます」と微笑みの挨拶。運転席に乗り込む姿は逞しい。数日間の尽力の活動は「社内で一丸助け合う」とのタイトルで新聞の掲載記事にもなった。被災地の方々の困窮状況を想い、その事への寄り添う心のお役立ち活動だ。

 寄り添う心といえば、車の心を汲み取る企業もある。M運輸だ。「元気な挨拶と掃除の徹底」をモットーに食品輸送を主業務として40年。「お品の生きの良さのイメージを高める事が肝心。それは人による印象が生命。その魅せる言動が挨拶。そして真っ白な輸送車はお品を包む風呂敷と同様、だから心を込めてお掃除する。更に、車と人は同一の扱い。新車の入車式を全営業所で行う。役員・社員が勢揃いし、乗務する社員が車販売社からキイーを譲り受けるセレモニーだ。廃車式も行う。「ごくろうさまでした」との感謝の心で入車式同様、役員・社員が勢揃いし、御神酒、お塩を施し廃車センターへ送り出す。まさに入社式、退社式と同様である。特に廃車式の意図は「車の気持ちを考えてみた。多分に「雨風、凸凹、混雑、寒暖、運転者と共に私も頑張ってきました。多くの方に安心と信頼されてきました。その事は私の誇りです。」ならば、ねぎらいと感謝をしてあげることだ気づきました」とM会長は語る。人だけでなく物(車)への寄り添う心は素晴らしい。M会長は小生の敬する人である。中堅企業としての存在感は業界でも一目置かれる。運送業界を取り巻く環境は小口化、配送の頻度拡大、料金の締め付け、運転手不足は厳しい状況だ。必要なお品を、必要な場所に、必要な時間迄にお届けするこの条件を満たし、選ばれ続ける企業に挨拶力の影響は大きい。

◆挨拶文化を育む実践の確認

 
挨拶は企業文化である。社員間、協力企業様、顧客様、勿論社会活動にも通ずる挨拶力。その持つ価値は次の3点
①挨拶は人と人の心を継ぐ金の鎖なり
 社員は、共に当社での出会いの縁を生かした絆で活躍を楽しむ。それは社内外の関わる人全てに対しての実践。互いに認め合う心と行動の交流がそこにある。互いの自己承認欲求を認め合う言動が挨拶の交わし。そこには寄り添いの絆がある。

②挨拶は、事に向けての積極的取り組みを示すバロメーターである。
 元気な挨拶は背筋がきちっと伸び、スピード感ある歩き方、かける目線には目力がある。心を開いて迫る気概は、何をどうするかの気配りでの感受での先手の施し。そこには積極的思考に基づく内側の士気の高さの表現があり「あの人はやる気がある」との評価が高い。

③挨拶はお客様と会社を繋ぐ安心・信頼の基である。
 社会常識の実践は一応の評価を得る。そして挨拶力が生きたプラスワンの施しはおもてなしに通ずる施しがある。「あの人がいるから」「あのような上役がいるならきちっと教育されているだろう」の信頼と安心だ。挨拶一つできない、例えしても素っ気ないなどのできうる力を粗末にした無精は顧客様からの不信と、駄目会社の不評・風評を生む。

ということである。まずは3点を共有化し、実践はあ・い・さ・つのキーワードだ。

あ=明るく、笑顔で目をかけて
い=いつでも、どこでも、誰にでも、
   まずどこでも。  先日、東南アジア2カ国を訪れた。出入国、機内、ホテル各所でのちょっとしたやりとりの場では「こんにちは」「おはようございます」「よろしくお願いします」と丁寧(笑顔、明るく、お辞儀)で声がけし、事処理過程では微笑みを持って、目をかけ、「はい」と返事を返す。終えたときには「どうもありがとうございました」「さようなら」と挨拶をする。当地言葉に敢えて変えることなく日本語である。出入国手続きでの厳めしい係官も短時間でも融和感が漂ってくる。「こんにちは。こんばんは。ありがとございました。」真似調での挨拶言葉を口ずさんできたのも楽しいことだ。挨拶の持つ妙味の一例である。社内外も同様。対人関係の習慣化された関わりだ誰にでもこのキーワードに対してどうだろう。気が合う人、好きな人、なじみの人には臆せずするが、気が合わない、ウマが合わない、苦手な人、初めての人にはつい言いそびれていないか。
さ=先に
   「挨拶は下位からする事だ。学生時代クラブでは当然、自衛隊での敬礼も然り、その習わしが抜けない」との話も聴いた。立ち位置の逆転した先手の挨拶はその人の人徳として評価される。謙虚なねぎらいと感謝の念の表現だからだ。「実れば実るほど頭を垂れる稲穂かな」の如し。「挨拶はかくれんぼと同じ、見つけた人が声かける」。
つ=ついでに一言プレゼント・そして続けること

このようなあ・い・さ・つを心した日頃の実践がやがて企業の風土、文化となり評判力を高めている実態は衆智の通りである。。

◆単なる礼儀作法のマニュアル実践ではない
  
挨拶当たり前の事だ。だがそれは単なるマニュアル通りの礼儀作法でない。関わる人へのおもてなしの魅せる表現だ。おもてなしとは、相手のして欲しいことはどんなことかを察し、その対応として、自身(社)ができる施しは何をどうすべきかを即断即決して、先手で実践することである。心情の琴線・機微に触れる気配りの良さと表されるが挨拶心の通ずる。次の実践例もある。

 *W会計事務所に訪ねると、ドアを入ったとたん20名の所員が一斉に「いらっしゃいませ」と立礼する。応接室に入室までその姿は続く。事後応接をでると再度立礼し、玄関を去るまでお送りいただく。かといって窮屈さがある訳ではない。


 *ネジ製作のK社は10人の社員。油、音、の環境での精密なる機械操作を担うワーカーだが皆、笑顔での挨拶がいい。実に花が咲き、光が灯った感じだ。I社長の明朗闊達なる人柄と関わる人への謝念が挨拶人間としての好感のもとだ。まさにトップの言動が企業風土となっている。だからこそ社員の編み出す製作技術は一目おかれている。

 *日本一の製錬所N社は安全の基は、挨拶の徹底と結論づけての実践だ。ライン監督者研修で若手社員の絶対安全状況をどうつくるかの討議結果である。当たり前の事が最高実践できずして危険予知に準じた安全対応はできない。機械、装置、整理整頓、作業動作などを洞察、そこから感じ取るヒヤリハットに直ぐ手を打つ。心を開いて近づく積極行動がそこに生きる。読者諸氏の企業はどうであろうか。

   
 家庭ではどうか。特に夫婦間ではなされているか。小生は「おはよう。今日もお世話になります。」という(笑い)。「美味しいよ。」「ありがと」「出かけてきます」「ただいま」「ごめん」「お休み」の言葉掛けは自然に交わす。
 
* 「○○さんおはようございます。」とハグするご夫妻も学び会う仲間にいる。いつでもどこでも、誰にでもとは普段身近な人に何気なく交わす習慣なくしてできはしまい。

◆新人の企業人への脱皮にまずは挨拶風土に着目

●「幼少の頃、「おはようございます!いただきます!ごちそうさまでした!さようなら!ありがとうございました!"笑顔で大きな声でと教えられ育ってきた。今社会人として当たり前の事と認識しているが、さて私たちは当たり前に行動できているだろうか?自問自答してみる・・。そうだ!我が社では『原点回帰』基本に徹し、まずは当たり前の事を当たり前にしよう!・・・・。中略」
 
頭書に紹介したN運送N社長のスローガン紹介の挨拶文だ。

   もうすぐ新人が入社する。新人には「新人は何もできないわけでない。今出来る事の最高実践せよ」説く。新人の挨拶は元気で最高の形を施す。就活で磨いてきた売りの一つだから当たり前。だが3ヶ月後お会いすると新人の粗末な挨拶ぶりが気になる事がある。環境に慣れるが環境に同化したレベルダウンの現象だ。「環境により人は育つ」「上行えば下これ見習う」「耳に入る言葉よりも目に入る言葉に学ぶ」。育成の現実条件だ。この不可欠条件が「鉄は熱いうちに打て」新人の熱い心を学生から企業人(自社社員)への脱皮の第一歩として当たり前の事を最高実践する躾の育成だ。この機会をおろそかにする事はできない。最近の若者はの世評はどうであれ、企業人に即した素質づくりは一般論ではない。だからこそ、育成条件の前提条件である企業風土・受け入れ先輩社員の現状を確認してみることが肝心である。

 N運送の研修を機会にまずは挨拶に着目して記してみた。各社・各自の魅せる挨拶実践、評判は如何であろうか。

 新人研修・指導者研修お引き受けいたします。
 
□鬚講師の最近の主な出講研修例

●経済団体若手社員研修        4H×3回コース

  
3回シリーズ最終回。中小企業から参加した受講者。大半が3回連続。受講者間の親和感も高まり、グループワークも楽しく、意見交換も活発化する。若手社員の定着対策も実施目的。選んだ会社にまちがいなし。任され責任もって活躍できる楽しさをより向上する事を期すことを結びとして、3年後の自身のビジョンを設定し、実現に向けた第一歩の目標を掲げて修めとした。

●シルバー大学院研修
  
生涯大学卒業者による大学院。「縁を生かす話し方」のテーマで講演。75人の受講者の学ぶ力と人徳の豊かさの研修は楽しい。自主運営役員のきめ細かい配慮もかつてのビジネス社会での熟した活躍が生きている。例年楽しみの研修である。

●青年経営者研修
 
「人間力を高める」テーマでの研修。トップ幹部として活躍するうえで関わる人の心をどう高めるかの条件を提案。夕刻からの研修で会ったが食いつきがいい。一歩前に出る大切さを説いた尊徳翁のゆかりの地である事もあり、活力ある受講者との学び合いは楽しい事だ。紹介した他社事例から、新たな企業の強みづくりにいかしていただく事を祈念した。

●運送業管理職研修 2回シリーズ
  創業52年。全員野球を理念に運送屋としての伸展の強みを生かして、今や150人企業に。改めてガバナンスパワーを磨く管理職のなすべき活躍条件を確認した。ホンモノ企業と管理職の事業家マインド・組織力を生かした活躍。社内外との協働力を生かすリーダーシップなどを柱とし、演習に「当社の強み分析」を施す。強みの確認は多岐にわたり5位までの選びからより強める戦略・戦術を企てた。出すぎた杭は打たれない。今後の企業活動に一役を施す機会となった。

●雇用対策関係団体 社員のコミュニケーションスキルアップ研修
  今回(過去数回出講)は新人、若手、育成立場のリーダー、担当部門社員が参加し、対人関係をつくり生かす一言、会話、苦手な人との人間関係づくり、業務上の説明力、プレゼント、自己の活躍PRの報連相の実践について指導。演習を重ねて実効ある研修を施す。楽しく、日々実践の診断と更なる実践ヒントを体得できた研修であった。他所でも是非実施す事を主催者からの提案もいただいた。

電子部品メーカーリーダークラス指導力アップ研修
  例年新人を迎えるこの時期の実施研修。主任、リーダークラス15人。若手社員の特徴、人材から人財への育成プラン、指導の実践スキル、基本力伝わる説明力スキル、褒め、叱るの極意を軸に、指導体験事例を生かして指導力向上策を浮き彫りにする。2日間研修。実に熱心に取り組む受講者へじっくりと指導することは楽しい。担当部門との重ねてきたパートナーシップからの実効を高める工夫が生きる。
                                                            などなどである。

新人研修、新年度に向けた研修実施の相談対応が多いときでもある。お役に立てる機会に感謝して、実施者様の要望にマッチングしたオリジナル研修を企画し実施・指導に、尽力して参ります。どうぞ気軽に返信メール下さい。楽しみにお待ちしています。

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□お薦めの研修コース

新入社員(職員)研修
 学生からの脱皮、企業人とは、働く楽しみ方、ビジネスマナー、対人関係、ミスなしの仕事への取り組み方、育てられ上手の実践法、メンタル対応、生涯現役の人生設計など、業種、職種、などの諸処の企業特性を踏まえて指導します。講義演習を最適に織り込んでの研修の進めです。社内実施内容と最適にリンクする。

新人指導者研修
 受け入れ側の指導者対象。新人との出会いは生涯の財産、指導実践法、心を通わす言動の施し方。相談の受け方。話し方、コーチング的聴き方など。を演習を生かしてスキル向上を図る。

新任役付き者研修
  管理職・監督職・リーダー職、人事での新任上司力の基本を学ぶ。企業活動と期待事項、組織力を生かした実績づくりのマネジメント・リーダーシップ・強い仕事集団を形成するメンバーの生かし方。育成力・コミュニケーションスキルアップ・寄ってくる人物影響力などを階層に即して内容の組み立てをする。研修機会の最適さは新任の時。少人数でも実施することがよい。

話力向上コース  聴解力向上コース
 全社員対象。どうしても現代のビジネスでは磨かねばならない能力。伝わる話し方。協力を得る折衝力、人前でのスピーチ力、説明・説得力、報連相の仕方・受け方・・如何様にも内容を組み立て実施します。話し下手・苦手、メール時代だからこそ対人での話し方聴き方が今だからこそ向上すべき。

    などです。気軽にご相談下さい。講師料などは本気で実施する事を前提に特別設定いたします。

  ( 293月 研修・講演鬚講師 澤 田 良 雄記)

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