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◆受講者の声「伝える事は難しい」
  「言葉だけの情報で図形を画くことの演習は、必死に説明し、叉、理解しようと臨みました。合っているかが不安でした。やはりうまくいかなかったですね」とは、工具トップ企業N社での新人研修受講者の所感、「技能伝承の指導は正しく伝えること、ではこの絵をこの通り描いて貰うよう指導して下さい。絵は見せない、ゼスチャー無しです。」指導者側は一所懸命説明するが合わせてみるとピタリといかない。「これじゃ、間違ったやり方が伝わってしまうな。簡単だと思ったが難しいね。」これは大手製鐵所の熟練者研修での声。「正しく伝える」結構厄介な課題である。
 伝える方法は、諸処あるが、小生の専門分野は話力の活用である。改めて「伝える話力」に着目してみると書籍も多く読まれているしそれだけ磨かねばならない能力である。読者諸氏はいかがであろうか。

◆「伝える力」の悲喜の現実
  今年も秋空の下で、受刑者の運動会が行われた。徒競走やリレーでの真剣な走りは迫力がある。観覧しながら所内で指導した話し方教室が思い起こされる。多分、全国で唯一の講座であろう。目的は、自分の思う事が伝えられない、その鬱積が凶行になってはとの更生支援の一環であった。緊張感のある指導体験であったが所長の想いの英断に共感し尽力した。想いに応えた成果が出ているかは確認出来ずとも、必ずお役に立てていると捉えている。なぜなら、指導回を重ねる毎に、受講者の自信が蓄えられていく言動を思い起こすからである。
 諸処の研修現場でも「話す事が苦手」「話してもうまく伝わらない」だから心配事となる、イライラ感が募る、しょうがないから自分でやってしまうとの声を良く聴く。従って、次第に話す機会の回避、自律感が弱ければふくれる、怒鳴る、時にはパワハラだなどとの誤解を生む事態。これでは困る。特に、上に立つ人は「必要なことを」「必要なときに」「必要な人に」「必要なだけ」「必要な方法で」伝える話力は欠かせない 。でなければ組織力を生かした上役らしいさすがの活躍ができないからだ。決してしゃべり上手の飾りではない。自分の「想い」を理解→納得→共感」を得て、協力を頂く。だからこそ、あうんの呼吸を生かしつつも、きちんと伝え、実践の是々非々に基づく褒めと、時には厳しく示す話力は欠かせない。
  一例を示そう。先日油槽所専業トップT社の次期リーダー研修でもこの点での重要性を確認した。それは次の演習からだ。まず、グループリーダーに課題を説明し、リーダーがチームメンバーに徹底し、課題解決に取り組む。G間で早く、正確に事をなす事を点数化し競う研修ゲーム演習だ。勝ち負けが決定し、何故勝てた、何故負けたとの振り返りで出される意見は様々だが、リーダーの改善点は,G全員に課題をきちんと伝える力を磨く重要性の気づきである。トップ幹部からの助言(2日間トップ幹部も共にする)で確かなものにする。
 勝ったGの雄叫びは「やったー」負けたGは「悔しい」だ。双方とも一生懸命に取り組む姿勢は同様だが、課題内容の徹底の善し悪しが総力の結集の差となる。上に立つ人の手腕は、既に確認したように自分の想いに、異見(自分と異質の能力考え方)の人の協力をどれだけ生かす事が出来、質とスピードを高めた成果を生み出すかだ。その必要能力が伝える話力である。

◆寄り添うスタンスが「伝え方の基本」
 
 ならばどうする。「寄り添う」事が第一である。これは、中核市Y市の管理職対象で実施した「住民への二次対応能力向上」で導き出された言葉である。長年継続してきた研修である。研修の組み立ては、職員と住民のトラブル事例をビデオで確認し、住民の心情を分析、二次対応はどうするかの提案をまとめる。その場面対応をシナリオ化してロールプレイングし、その対応ぶりを観察、コメントを施す研修だ。住民役も心情分析を生かした演技であるから、怒鳴る、反論する、攻める、冷静に筋論で詰め寄る等、迫力がある。従って、想定外の場面も多く対応する管理者役も真剣である。次第に、決め事だとの繰り返し、言いくるめる、説法調の傾向が出る。当然、浮き彫りとなるコメントは、住民の立場に立って、求める、期待する、許可が欲しい等の心持ちをまずはじっくり受け止めることだと気づき合う。そのキーワードが「寄り添う」という表現だ。まさに言い得ている言葉である。
 
 案外、一生懸命話している割には、聞き手不在の話し手になっていることも多い。その対策は、どう話すかを考える事より、どう聞いて貰うかの視点で検討する事である。そこには、理解力、親疎の程度、興味、人間性(行動の傾向)、当方への信用、利害等々の聞き手の条件がある。この条件を踏まえて伝える工夫を施せばよい。理解レベルが低ければ易しい言葉を生かせばよい。この施しのある話しは、必ず、わかりやすい、丁寧、こちらの想いをくんでいると評価される。「伝わる話力」の条件だ。「言うは易き、行うは難し」を承知の上での持論だが・・。

◆「摺リ込む」このしつこさがやがて・・・
 
 「摺リ込む事が大事である」とは、経営者の学ぶ倫友O園長の言葉である。O園長は園児に次の5心を掲げ育成の基にしている。それは「ハイという素直な心」「ありがとうという感謝の心」「ごめんなさいという反省の心」「私がしますという奉仕の心」「おかげさまでという謙虚な心」である。企業での活用事例は多いが、幼稚園では特筆に当たる。これを毎日唱和して来たが、先の運動会の応援に「友達を応援する心」「運動会を楽しむ心」「最後まで頑張る心」「一生懸命走る心」「みんなに協力する心」と応援五心を創って盛り上がったクラスがあったとの紹介だ。紹介するO氏の笑顔が良い。それだけ浸透の一端を確認できたからであろう。
  さらに紹介したのが「勤労」「勤勉」「勇気(一歩前に出る)」の三語の唱和の実践だ。園児にである。そこには園庭に設置した二宮金次郎の銅像の教えを園児に伝えたいとの想いだそうだ。園児が今は実感がなくても良い。数十年後でも三語に通じる事態に直面した時、こういうことだったのかと掴んでくれれば良い。そのためにも繰り返し、摺リ込むことが大切だとの提言だ。納得である。
  組織活動でも同様。「想い」を伝える人、範囲は全社(庁)・部門・仕事集団など様々だが、愚直なまでの徹底、解らせる工夫の累積継続実践が肝心である。摺り込む、しみこむ、このしつこさが「伝わる話」として実を生む。一度言ったら解ってくれる程、簡単でない現実である。

 運動会の歓声が沸く躍動の時でもある。研修場でも新たな気づきでさらなる躍動を産み出す機会である。持ち合わせている力を広く発信し、取り巻く環境の変化に力強く対応していく楽しみを高めたい。そのためにも「伝わる話力」を磨き、各自の躍動を結集した総合力を駆使していくことである。
 話力向上研修お手伝いいたします。ご一報下さい。

 ◆髭講師最近の出講記録

県経済団体主催若手社員研修          2クラス
 
県内中小企業からの受講者。対人関係、協力関係をつくるリーダーシップを演習を駆使して進める。異業種、他社とのグループワークはほどよい緊張感もあり、充実した研修ムードを創る。だからこそ日常の活躍ぶりの反省も素直に受け止め、さらなる活躍が望める。企業の人材育成の一環として役立つと確信できる。

中核市管理者クラスの二次対応研修
 
長年継続している研修。 希望参加。部下が起こした住民対応トラブルにどう管理者として取り組むか。ビデオ、ロールプレイングを取り入れた参画型研修。終了時のほっとした笑顔が、研修の実効を表現している。結構名優も多い。

NPO法人主催中堅社員ランクアップセミナー
 
小生所属の開催。地域企業対象とし学びあう。さすがの活躍、協働力を生かした集団 でのリーダーシップ、コミュニケーション、現企業で活躍する楽しみ(ES)を内容とし、グループワークを盛り込んで進める。知りうる企業社員との出会いと協働演習は親近感があり、終了時には笑顔の握手。思わず小生もにこっ。各社社長の顔が浮かぶ。

油槽所トップ企業中堅社員研修
 
トップ幹部とともに創り上げていく合宿研修。全国各所からの参加者。トップ講話を基に研修の軸を創り、活躍の有り様、自己革新、上役補佐、視野拡大、話力向上・・。講義と演習を最適に汲み込み、時折のトップ幹部の所感・助言を加えて行く。懇親の場を含め、親しく情報交換出来る事は今後の活躍のネットワークとなる。

大手製鐵所の熟練者研修
 
55才。今後の活躍への支援。担当部門とのコラボで3日間コースの1日。事前レポートを最大活用した研修の軸を基に、おかげさまづくりの活躍のありよう、意識、熟練力の生かし方、技能継承の指導力スキル、自己洞察を入れ込み、生涯現役の生き方を示唆する。まとめは、レポート内容を生かした分科会形式の討議、発表。担当部門管理者が効果的助言。
                                                                  等々です。
                                                         

今月のお薦め研修企画です。

上に立つ人の話力向上研修 「伝わる話力なくして実績形成は出来ない」

● ネライ
  
組織力を生かした実績づくりは、関わる人との協力関係如何による。その善し悪しの基は、想いを伝える、伝わる話力の巧拙である。ならばどう磨くか、当研修でそのヒントを掴もう。演習を中心に必ず、現状の強みを生かし、さらなる改善点を見いだす事が出来る。話しが苦手では上役は務まらない。次期リーダークラスの必須能力開発の機会として活用をお薦めです。

研修内容
   1. 組織力をいかすリーダーシップと伝わる力
   2.話力の基本条件と聴かせる条件(筋道、わかりやすさ、切れよく)
   3. 理解を促進する説明力の高め方
  
4. 心を動かす説得の極意
  
5.断りに対応するやりとりのコツ

  
6.指導時の実践法
  
7.大勢を前にしても臆せず話すプレゼンテーションの磨き方

   8. 聴き方上手が本心のやりとりを創る
   9.幾多の演習による体得(コメント指導)
  10.個別相談
                                                          以 上

  実施に向けて
  
実施条件(目的、時間、人数)に応じて打ち合わせし、最適な実施企画を提案します。気軽に一報下さい。(メールアドレスにどうぞ) 

(平成2711月1日  澤 田 良 雄 )

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