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春の言葉には草木の芽が張るとの意味もある。張るとはいっぱいに押し広がる意、はち切れそう、ふくれる、また、のび廣がるとの意味もある。今この言葉にピタリとはまるのは新入社員である。ならば、芽が、蕾とし、ふくらませて開花していただきたいものだ。そう願いつつ、ふくらむ新人、ふくらませる指導について記してみよう。

 日本生産性本部の調査研究会は、平成28年度の新入社員のタイプを「ドローン型」と名付けた。その解説には、「強い風(就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化)にあおがれたが、何とか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定確保)できたものが多かった。さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる。内外ともに社会の転換期にあるため、世界を広く俯瞰(高いところから広く見渡すこと)できるようになって欲しい。なお夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワークバランスへの配慮や適性の見極め)も必要。と記されている。多面的考察での名付けであると承知し、同時に、ドローン利用撮影者と、操縦法や、利用目的を談義する事から、言い得ているなとの理解もいく。しかし、新人各位は、10人10色、さらには各自の成長とともに一人10色と成長して行く。個々の現実を直視し、個別に最適な育成を施す事が肝心である。

 新人よ、蕾の華やかさを魅せる

 先日、10数年担当しているN社の新人研修の打ち合わせに伺った。企業の活動変化と新人への期待事項など幹部から示され、採用担当部門からの入社予定者の特性を伺った。「総じてまじめです。個々には行動規範は様々です」と個別特徴を示された。なるほどと納得がいく。真は多種多様の根から芽が出た新たな蕾ということだ。

 ならばどう育て花咲かせるか。そこに新人育成の楽しみがある。他力で動くドローンから早く巣立って、自力を働かせて活動するヘリコプター型社員に育てることだ。 

 小生の新人研修も桜花の満開と共に全快である。指導の軸は企業から示された新人への期待事項を基に、フレッシュさ溢れる華やかさを魅せることであると導く。華とは新人だからこそ発揮できる凄さだ。社内の空気は新人の登場により一変する。先輩の心情にも入社時の心に帰り、現在の存在感を如何かと自己診断し、誇りと自省の時である。そこには、一時的であっても先輩としての初々しさを彷彿させることもある。それだけ新人の持つ張り切り、膨らむ蕾のオーラは凄いものである。

 但し、それがいつまで継続するかは新人、先輩によって違いはある。新人の華が曇り、しぼめば、関わる先輩の再生された生きの良さも萎える。いずれにしても、華を企業人として育て、花咲かせる事だ。それには、育ちたい勢いと、育てたい温情がきちっと噛み合う育成機会を重ねる事である。

 想いをしっかり持った蕾が良い

 I商工会議所での3日間の研修の結びは、小生の総括的講義のあと、受講者の書いた(題名◎◎企業に就職して・・)小論文の優秀賞、最優秀賞の紹介である。受講者数は昨年の約倍である。さすが選ばれた論旨の強さは、「何のためにこの会社に入社したか」の想いを明確に持っている事だ。そして実現に向けてのがんばりの誓である。いくつか紹介しよう。「人と関わり、地域に貢献できる仕事を希望=トランクルーム企業」、「子供が好き、教育の仕事に就く事が早くからの希望=保育園(保育士)」「憧れのホテルに入社=ホテル」、「オートバイが好き、その整備学校を経て大型二輪の販売・整備会社に入社、女性だけれどもの覚悟で取り組む」「環境に関する仕事につくことを目指した、日本一のゴミに詳しい人になる(女性)=ゴミ、産廃環境業」、「自分の設計したTV中継車が街を走る事を楽しむ=特殊自動車製造」・・である。志(想い)を持った人の読み上げる語調には迫力がある。

 
N社幹部からも「何のために」当社に決めたか、志をしっかり持つ事が大切と強調された。実際、大企業の内定を貰いつつも、最終決定は当社に決めた、なぜ、それは【◎◎を造りたい】との意思決定であると紹介もあった。N社は工具関連メーカーのトップ企業ではあるが・・。まさに就職である。その志が膨らむ蕾であり辛苦を越えて花を咲かせる原点である。就活の氷が多少溶けてきたからこその新人、企業双方の職業観を軸としてのベストマッチングであろうか。

 ◆春夏秋冬の育ての心得

 しかし、想いと現実にはギャップがある。その埋めをすることが企業人に育成すること。企業には歴史があり、理念があり、戦略がある。独特のルールもある。素直に理解し納得し、実践することだ。この自覚の乏しいことが「こんなはずではなかった」との負け犬としてのリタイヤに繋がることは周知の通りである。
 
今頃は、職場に配属され具体的に育成が施されていることであろう。指導のコツは春夏秋冬型指導実践法である。つまり、

 「春」「
早く一人前になります。」の心で芽生えた蕾の息吹を育てる暖かみのある指導。緊張感、不安感 の気持ちを汲み取って、良いところを見出しほめてやる、職場全員でぬくもりを醸し出す環境作りである。決められた指導者だけでなく、皆での声掛けすることが肝腎。でなければ蕾は固くなるだけだ。

 「夏」教える自分が熱くなっている様を魅せる。言葉だけでなく示範力を生かすこと。例えば「お客様に迷惑かけて土下座したこともある」との指導なら実際に土下座をしてみせる。「まさかそこまでやるとは」との緊張感が走る。耳に入る指導と共に、目に入れる指導が肝腎。言われることより、魅せられる事(示範)に学ぶことの価値づけの高いことも事実。

 「秋」ロジックの世界が秋である。つまり「なぜ」「どうして」の心の問いにきちんと説明する。なぜこうなっているか、なぜ大切か、なぜこうするかの理論付けの施しである。この事の理解、納得せずして、しっかりやれといわれても半信半疑である。「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かず」との指導極意があるが、言って聞かせる事を丁寧にすべきである。How Toの指導だけでは単にオペレーターであり、以後、持ち味を生かした花は咲かない。個性を生かすとはこの根が基である。

 
「冬」厳しい指導の類である。叱る事もその一つ。さらに成長と共に、無理かもしれないが・・・と思うレベルへの挑戦の仕掛けである。特に高学歴者にはこの点での配慮が必要。それだけ自意識の高さと、覚悟はできている。その芽を潰さないことである。早期戦力化、次世代に向けての期待にはこの育成で逞しさと、自立性をきちんと育みたい。但し、成功に導く陰の支援(気配り、示唆)を怠ることは許されない。「できなかった」の彼らの失意は今後の積極性に影を落とす。

 ということである。指導実践の一助になれば幸いである。

 ドローンも利用目的は様々、各機の性能も種々、働きをする(飛ぶ)条件も諸処。さらには、進化のスピードも速い。迎えた新人も十人十色、成長と共に一人十色、成長は守・破・離そこには潜在的個性を生かす時も来る。それこそ想いを実現していく実績の花であり、やがて人財としての華ある社員となる。そこには、「チョー気持ちいい」「何も言えねー」の名言は引退宣言した北島康介氏。「先生だからついていけたし、金メダルの夢が実現できると思わせてくれた」先生とは中学2年から指導を受けてきた平井伯昌コーチ。コーチになりたい気持ちには「僕の中で、一番のコーチは平井先生。そこにあえて勝負にいきたいとは思わないですね」と答えたという。指導する側と指導を受ける人との信頼の絆はこういうことを言うのであろう。

  この仕事に就けて良かった、この職場に配属されて良かった、良き指導者に出会えて良かったとの信頼関係で、この春、張り切った蕾が、見事に花咲く為の根をしっかりと張るこのときである。

 指導法について支援します。

□髭講師の最近の研修の一例です。

 ○大手製鐵所熟練者セミナー
  
新たに出講した所のエバースマイル研修。キャリアップを軸に事前レポートを生かして、演習、話し合いを組み入れての進め。個性豊かな55才であったが、充実した気づきの時となった。

 ○出版関連企業中堅社員セミナー
  
半年前の管理者コースに続き、中堅クラス対象。評判づくりの活躍の楽しみ方、核社員としての実績形成の楽しみ方、そのための目標、提案、まとめ、指導などを指導し各自の強みを分析し、当社発展への活躍提言としてグループ発表、さすが、言葉、文章、絵など駆使した発表は見事。トップ幹部の助言を得て、各自実践目標に落とし込み、管理者からのOJTと繋げる。

 ○経済団体主催新人・若手コース
  
フオローアップ研修として2回ずつ実施。新人コースは一年目活躍のあり方の現在を確認、先輩社員になる事への指導。若手コースは、任され、責任持って活躍する楽しみ方と、逞しさの醸成にスポット当てた。異業種、他社同士の受講者の特長を生かし各回交流機会を生かした。良い刺激の機会と好評。今頃は新人指導者か。

 ○新入社員セミナー、各地、各社、各団体様で指導中。

 
                                                などです。

       *******お薦め研修企画例*******

テーマ「話し方・聴き方スキルアップ研修」

〔対象〕  どの層、どの職種でもOK

内容〕  1.ビジネスの基本能力として、話す、聴くスキルはどうしても高める
        2.伝わる話し方の基本と磨き方
      
3.説明・説得力アップはこうすればよい
         4.筋道、わかりやすさ、感じの良さの話し方の磨き方
      5.大勢の前での極意はこれだ

        6.聴き上手は話上手 どうして
        7.聴き上手の具体的実践法
       8.報連相、する側・受ける側の生かし方

〔研修方法〕 講義と演習(準備・実習・コメント)

実施方法〕 時間・対象者の特性、ニーズなどを基に最適な実施策を提案します。

           
                             以上です。

(2016.4月14日.髭講師 澤田良雄筆)
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