「心が変われば行動が変わる(意識改革)行動が変われば習慣が変わる(行動改革)習慣が変われば人格が変わる(人物的影響力)人格が変われば人生が変わる(業績向上」これは研修の素晴らしさを提起する言葉である。テキストの頭書に必記し、受講者との共通項として確認する。それは、各位が現在自信と誇りを持って活躍している活躍ぶりを客観的に診断し、更なる活躍向上のヒントに気づく機会が研修であり,小生の支援の施しである。気づきは、心の変化であり、ヒントは変える術である。だからこそ目に見える言動変化が、関わる人の協力温度を高め、業務推進がよりスピードを早め、質良く遂行される。当然その集約は業績向上を成就する。従って研修は「自ら変わる事により,相手が変わる」そのジョイントパワーの向上である。
「変える」「変わる」このキーワードに着目して、昨今の直間の施しの事例をもとに確認してみると次の4項が浮き彫りとなった。
●心を変えることは「自分の可能性を信じる言葉」を持つこと
●行動を変える。それは想いに近づく努力の実践である。だから楽しい。
●習慣が変わるとは、感謝と信頼を高め活躍の喜びとなる
●ネガテイブをポジテイブに変換させる。それは「運が良い」と鼓舞する言葉がよい。
である。それでは各項について記してみよう。
■「できる,できる・・」可能性を信じる言葉が打つ手を産み出す
「できる、出来る必ずできる,自分がやらずにだれがやる、希望の道を切り開こう。打つ手は無限にあるからだ。」と精一杯の声を張り上げ今後の活躍を鼓舞する後継者塾生の凜とした声は、会場を埋め尽くした聴衆の心に響き渡る。打つ手は無限とは、塾生が修養する塾の設立に尽力した実業家T氏の言葉である。その内容は「素晴らしい名画よりも,とても素敵な宝石よりも,もっともっと大切なものを私は持っている。どんな時でも,どんな苦しい場合でも愚痴を言わない。参ったと泣き言を言わない。何か方法はないだろうか。何か方法があるはずだ。周囲を見回してみよう。いろんな角度から眺めてみよう。必ずなんとか、なるものである。なぜなら打つ手は無限にあるからだ。」である。T氏は裸一貫から事業を興し、実業家として名を馳せた人である。小生も薫陶を受けた経営者であった。そのご縁で、塾生への「青年経営者・幹部社員の話力」を20年間指導してきた。会場は、その卒塾式である。1年間の修養で最も大事な実践の取組報告がまず成された。実践は様々である。例えば「工場のトイレ掃除をいたします」「父が早く他界しました。100日墓参します」「父が嫌いと決めつけていました。父に100日葉書を書きます」「職場のパート社員に朝一番に心のこもった挨拶します」「使用機械を掃除します」「社長の父に100日葉書書きます」・・・である。ならば実践目標にどう取り組んできたかの報告発表だ。最初は、「潔癖症の自分、トイレを素手で洗う事に、なんでこんな事としなきゃならないんだと抵抗もあった」「葉書内容もありきたり、中々心から書けない。投函に迷ったこともあった」「小さな声でぼそっとした挨拶が始まりでした」「大きな機械を見あげてこりゃ大変とめげた」との当初の取組状況だ。その時、言い聞かせた言葉が冒頭の言葉である。「できる,できる・・・・。」段々直行(素直に行う)の心に変わり、「書く内容もありのままの心情と意思を伝えるようになりました。父、母から喜ばれました。」「周囲の人がきれいになったね。私も手伝うよ。と掃除仲間になりました」「名前をつけての挨拶で両手で握手。明るい職場環境となりました。パートさんから若い人と握手すると朝から元気が出ます。といわれています。」「機械に名前をつけた。それは初恋の女性の名「あさみ」の名です。名前を呼びつつ掃除するのは楽しい。小さなペンキの剥げも見逃さずできています」「雨、晴れ、毎日墓参の日々は天候の条件もある。父に語りかけ、母の名、祖先の名のいわれも調べもしました。改めて感謝の気持ちが深まりました」と気持を切り替えての素直な実践ぶりを報告する。時には感情が高まり。涙声になる。小生の胸が心地よく騒ぐ瞬間である。会場にお出でになった父、母に最後の葉書を読み上げ花束を贈るシーンも大きな拍手で祝福された。
報告者による実践の総括を試みれば「当初は抵抗あり、しかし、塾生仲間、指導者からの示唆により素直な自分になりきった。どう成すかを見いだし、愚直に継続した。自分が変われば、相手が変わるこの実証を体得した」という意義を有している。
実践の誇りを紹介する卒塾生の規律正しく、凜とした晴れやか表情が今後の更なる成長を期し、頼もしい。話し方も、体験に基づく訴求であるからこそ全身での表現が説得力を高めている。そこには、半年前に話力基本を指導したお役立てが生きていることが嬉しい。退室時一人ひとりに「良かったよ」と声がけ握手する。「ありがとうございました」との感謝の返礼のその目線に「共に成していきましょう」と激励された思いがするのも心地よい。
「今はできない。でも明日できないことではない。新たな学びによる新たな智恵を創造し可能性を編み出す。「できない理由を考えるより,どうしたらできるか考える」この心の切り替えは活躍の向上策を創造し、語れる結果を創り出す。そこには持ちうる潜在能力の新たに生かし方に目を向け、自ら可能性に気づく事も多い。新とは無から有を生むことだけでなく,今ある力の新たな生かし方を見いだす事でもある。自能力の限界は、打つ手の無限の教えの如く、周囲からの力を借りることである。
■実践例を語る喜びは素晴らしい
先般C市の技能員研修を担当した。事務職と事なり専門技能での活躍であり、配転による職種変更はない。例えば調理、学校用務員、運転、道路補修、斎場、など様々である。現状の行政は「選ばれる,選ばれ続ける街」として在住人口の維持、増加は競争である。それだけに直接住民との接点で活躍する技能員の活躍ぶりは、市町村の評判を決める。だからこそ日常の活躍には自信と誇りを持った活躍ぶりである。例えば、今夏は暑い日々が続く。保育所の調理場は大変な暑さだ。限られた職員で,例え休暇を取った人がいても、献立に基づき,調理し、配膳を皆でやり抜く。昼食時間は決まっているからだ。園児から「美味しかった・・。」といわれる一言に思わず微笑むという。だからこそ活躍の情報交流」のグループワークは賑やかである。その柱立ては、現況の活躍ぶりにこだわりの活躍法、関わる人(職場内外,住民)から喜ばれたこと,感謝されたこと,そして自慢できる実践例などである。自身の実践例を紹介する豊かな表情、他の人の話題に問いかける探究心で盛り上がる。紹介事例は
●「忙しい中でも,決して手を抜かない。清潔、衛生、異物混入、アレルギーに留意し、絶対に間違えない配膳をしてきました。上司、保護者から信頼されています」
●「子供に花に関心持ってもらいたい。赤いひまわりの種を購入し、花壇で育てています。綺麗だと興味を示せば、他の花に水をくれるにも楽しみがでます」
●「草刈りは重要です。一回りするともう伸びている。また刈ります。住民が防災行事で来校し,こんなに校内を綺麗にしているんですね。」と声がけしてくれました。
などなどが紹介される。その活躍状況は、決して「なれた事をなれた方法で余計なことはしない」などという現状維持型の人はいない。毎年担当しているが概ね感じる実感である。そこには、なぜ当市で働いているのか(人生観)と、なぜこの仕事を選んだのか(職業観)が確立しているからである。だからこそ経験値(キャリア年数)は経験智(やり方の智恵)を高め、仕事の幅を広げている。その変える智恵の継続実践には,やがて,「ありがとう」の感謝の言葉がプレゼントされ、自らの職業人生を心豊かに創造していく。専門力を生かす職務、職業観をしっかり持った職員だからこその変えるパワーである。そこには、明るく物事を観ていく「明朗さ」が決め手である。
■思考枠を壊すその実践
「変える」その第一歩は思考枠を壊すことである。思考枠は経験則にとらわれることが多い。良く、行き詰まる、壁に当たるという。それは、経験を重ねた経験則が造り上げる。壁は自身で造るものであり最初からある訳でない。自身の思考枠に絶対間違いないとはまればはまるほど壁となり躱せない。「視点を変える、切り口を変える、発想を転換せよ」と普段口にしていても案外思考枠に固守する傾向があることも実態。ネガテイブ思考は失敗例の経験則であり更に厄介だ。失敗経験や自己否定による「でも、だって,こういうことがあっただから無理だ」「あの人はまたこういうだろう」とのいらぬ心配性の先読みによることが多い。
ならば、この克服にはどうするか。先のN県経営者協会主催管理者研修で受講者と共に確認した「その具体的実践策」を次に提起してみよう。それは、新たな情報の収集、体験,人からの学び,気づきある。
①自分と異なる考え方(異見)を歓迎し、新たな視点で物事を診る
②「もう一つ、もう一歩」のワンモア精神を生かしてこだわりの探究心を持つ ③子供心の遊びの余裕と「なぜ?」の好奇心を持ち面白さを追求する ④他からの忠告、アドバイスは素直に取り入れる ⑤物事の核心を掴む事。それは目的に対応して多面的思考を試みるチャンスだ ⑥鳥の目、(全体を観る)魚の目(流れを読む)虫の目(現実・現場・足下の実態に触れる)コウモリの目(逆から観てみる)の4つの目の付け所を生かす
⑦時には異なった条件に身を置いてみる(場所・人の集まり・立場・仕事・学習など) そこで、いつもと違った目線での新発見を生かす
⑧早起き、早歩き、早読み、を試みて積極的言動を自分に課してみる。自然に攻めの思考になる。
如何であろうか。 いずれにしても「井の中の蛙」「蛸壺思考」「世間知らず」「頑固者」・・ではなく自らの可能性を粗末にせず「ポジテイブ思考・「多面的思考」で愉しんでいく方が良い。経験則は現在の最高の方法、だからこそ経験則+改革(変える=新たに目をかける,気にかける,体験する→考えが変わる。)が必要である。
■「わしは運が良い」陽転思考が踏み出しの第一歩
よく「ピンチはチャンス」という。苦しんだりした時そこから逃避することでなくその状況を受け止め,良き方向を導き出す事により、チャンスに転じる事が出来るとの意味合いである。かつて、熊本地震で現地を訪れた際、目にした言葉が鮮明に思い浮かぶ。それは、被災地の美容室の扉に張られた「今日の涙を、明日は笑顔に」の文字である。現在の西日本豪雨被災地でのインタビューの応答にも類した心境が伺える。それは陽転思考の凄さである。陽転思考とは松下幸之助翁の「運が良い」との考え方から来ている。関する逸話は多い。例えば、学歴の乏しさを「教えていただくありがたさ」に、あるいは,身体の弱さを「御願いする事により人が育ち企業の発展の力になった」等々の「運が良い」と捉える心境は学ぶ事は多い。
現実に持ちうる自身の特性、それは宿命もあろう。避けることのできない厳しさもあり、思わぬ失敗の事実もある。まずはあるがままに素直に受け入れ,「ならばどうする」と次ぎに向けての打つ手を引き出す前向きの姿勢づくりをせよとの教えだ。良く成功の軌跡を語る話題として「今の自分があるのはあの苦しい時期があったからこそである」との体験談はその一環である。
先般地元経営者の学び仲間(倫理法人会)主催セミナーで招いた重量挙げ五輪連続金メダリストの三宅義信氏も,テーマの「苦闘の栄光」に対して開口一番「苦闘はありません。むしろ想いに近づく努力であり楽しみです」と話された。その努力の凄さを天が観ていて、いざというとき女神が降りてくる。いわば「運を呼び込み」快挙の喜びになると説いた。
紹介してきた事例の各自の実践の喜びの起点がここにある。それは,どう心を変えるかであり、喜びを成就するその第一歩の踏み出しは「私は運が良い」「できる、出来る・・・」のマジックフレーズにありそうだ。人に関するならば「相手を変えたきゃ自ら変わる」その一歩の踏み出しである。
「仕事の楽しみ方」「自己の内なる魅力の生かし方」「できる人の思考法」などに準じた研修、講演お引き受けいたします。
////鬚講師の最近の主な出講報告です//////
●和洋菓子ブランドメーカー社員研修
①実力型社員コース
入社3~5社員年研修。ブランド企業としての活躍条件を確立し,今後の活躍に向けた自らの目標を設定する事を軸とする。幹部講話の全社最適・融合をキーワードを元に、70周年の強みを確認し、全社最適(全社総力)の一役、そして融合化を自ら仕掛ける働きかけを学びあう。第一線の社員だからこそのベストマナーによる評判、心を込めた製造、PDCAサイクルの業務推進、そしてトップの人材育成戦略による多能化修得の取組などを講義・演習で支援する。当社は,今年度を新たな元号の来年に向けて,更なる企業力を創造する準備の年としている。半年感の実践目標を設定し,職場上司の助言を加えて半年間実践を重ねる。フオローアップの組み合わせは研修の実効を高める事である。
②ランクアップコース 3クラス実施
任され責任,責任持っての担当者。全社最適、融合のキーワードも現在の活躍ぶりを互いに紹介し合い,「互いの刺激交換」をしていこうとの幹部講話に繋げ,各種の異業務だからこその効果的なワークショップを実施。実効を得た。そして,現実の業務展開はタテ、ヨコ、ナナメの関わる人の協力を生かす事。チーム力に関する演習でそのスキルアップを図る。担当者の厚慮による3クラスの受講者編成が異職種、勤続の違いによる仕事上での立ち位置の違いがあり、刺激交換の実効を産んだ。
両コースとも数年間継続実施し,担当部門と共に創り上げていく研修である。
●行政のコミュニケーションスキルアップ研修
市町村職員の昇格に伴う研修。10年継続している2日間コース。行政経営、それは変える力である。新企画,施策、提案を実現すのは協働関係を生かす事。そのスキルは快話、説明、折衝、プレゼンスキル。演習の重ねでスキルアップの体得を支援する。最終はデベート的討論を組み入れ、緊張場面での企画提案の模擬折衝を実施。論の紹介、質疑応答、やり取り(話す,反論、聴く、練り直す,話す)を繰り返す。各自の対応力は様々だ。だから現実の場面の素の力量の診断となり,今後の実践んヒントを掴み出す。毎年診る受講者の終講時の何ともいえない明朗感が良い。行政の実践スキル向上研修としてぜひ実施いただく事をお薦めする。
●小規模メーカーの小集団活動の支援指導
いよいよ改善活動。目に見える変化を周囲に見せる段階である。
●話力向上研修会
継続実施。今回のテーマは「ツイテルツイテル話し方」スピーチ実習へのコメント指導。
等などです。
10月。各社各所の年間計画では後期に入ります。だからこそ更なる人材育成は必須です。「社員の成長が当社の成長」先般の出講企業の人材育成ポリシーでした。同感です。どう実施するか,忙しい、予算がないだからご支援します。
*酷暑、危険日、炎暑、こんな言葉がぴったりです。体調管理にご自愛下さい。
(平成30年8月 研修・講演鬚講師 澤田 良雄提供)
|