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◆今流管理職の楽しみ方7つの実践

 新潟県N社に出講した。雑誌、単行本の企画、製作、出版,Webサイト及びモバイルサイトの製作、コンテンツ配信などで伸展してきた創業27年の評判企業である。10年前、約3年間社員80名を対象に人材育成の支援をしており、7年ぶりである。10年、15年、時には20年ぶりとのお声がけを頂く事も少なくないがお役に立てる機会は講師冥利に尽きる。今回は、次世代を託す管理職への依頼であり、ご縁続きの専務とのやりとりを基にしての実施だ。そこには、約30年経ち、新たな組織体制に即して幹部・管理職クラスを次世代に託する人事戦略の一環がある。そこで、育成の軸を、プレイヤーの凄さから、経営の一員としての立ち位置を使命として、コーデネーター、プロデュース的活躍を軸とした如何に集団力を強める人材へと脱皮する事とした。選ばれた者としての覚悟と、熱き想いが観える受講者と確認したことを紹介してみよう。それは上と下に挟まれた悲劇者でなく、上と下と斜め(他部門、他社)へ良い具の味を提供する人としての7つの活躍の楽しみ方である。

①1人で動くよりも全体を最適に生かす⇒部下力の活用
 プレイヤーの活躍も必要ではあるが、第一義は組織の全体視点から観て、自部署のあり方を考えて活躍を構築することである。そこには トップ・幹部の方向性を自分事として理解し、理念を共有して、部下を最大に生かす管理を施す事である。「メンバー(組織力)を生かすためには自分に何が出来るか」常に心することである。

①目標の旗を掲げ先導する⇒強い仕事集団の牽引者
  自身で物事を考え組織の更なる総合力を結集していくための目標を掲げること。 メンバーに「なぜか」の根拠を伝える事を通じて「やろうという」強い意気を高揚できる。そこには、戦略、戦術による必達を覚悟した数値宣言もある。

③部下力を高める指導の実践⇒目標達成必達条件
  掲げた旗に到達するためには、部下の現有能力では不足である。知識、技術を広く、深く、新たに付加しなければならない。勿論、行動力の喚起、人間性の磨きも適宜施す事である。目標未達は、部下育成如何であるともいえる。

④新たな施しは、好奇心に基づく感じる発見⇒新発想による壁の打破
  「出来ません」咄嗟に起こる心境である。その前提は経験則での先読みである。出来る策は、「おやつ」「何故」「どうして」「こんな事って」などと、興味を持って観て見ると「なるほど」「そうだったのか」と正しく理解することや新たな発見がある。そこから「ならばこうしよう」と新たな策を創造できる。好奇心を持つことが、洞察する楽しみを促す。絶対ダメも、そこからでるひらめきにより解決の兆しを見いだす。現在の絶対出来ないも、新たなインプットを確保する事に新たな発想が産まれ、出来る事に転換できる。

⑤ 自発式での活躍ぶりを助長する伝える実践⇒部下の喜働力の喚起
  部下に任せ、責任を持った活躍ぶりを実現するには、部下を信用し、仕事の意義を納得、共感を得て自発的意思を湧かせること。それには報連相を生かした状況把握を生かして、褒め、アドバイスが更なる自発力を高める。そこには支援的リーダーシップの実践があり、意欲歓喜の褒め、アドバイスによる育みもある。

⑥即断、即決、即行のスピード力の発揮⇒示範力による信頼性の高まり
 組織活動は順調な時ばかりでない。まさかの事態は自身の立場にも起こるし、部下の活躍現場でも起こる。そのときの対応力が問われる。自身の身の丈を素直に認め、自署で出来る事、上司を巻き込むこと、部下に託すことの判断が大切。そして、どうすべきかの策を意思決定して、解決に率先して取り組みをする事である。単に見える異常状態を捉えるのでなく、要因を読みとり、先を予測、予知、予見しての解決力や、時に見せる窮状に挑む背中の力量は自身の信頼性をより高める。

⑦人を繋ぐ親和のベルトがけ⇒異質が織りなす総合力の強さ
 異なる特性、異見を持ち合った人の関わりが組織活動である。そこには他部署、他社、他国と、異なりのあるのが現実。ならば、異なる事への苦手意識で関わりを避けることなく、親しみを持って引き合う関係づくりが大切。自ら声を掛け、話す、そして訊く、聴く、のコミュニケーションを実践する事である。寄ってこられるコミュニケーション(報連相)は勿論、人だけでなく習慣、文化に触れていくこともある。グローバル化とはこのことが前提である。

◆ピーター・ドラッカーコレクションでの自問自答
 そこで、現在だからこそ特に磨きを掛けたい力量として「みえないものを観る」に着目した。「観る」とは物事の本質を見透すとの意味あいである。
 
先日、ドラッカー・コレクション珠玉の水墨画「マネジメントの父が愛した日本の美」と銘打って公開された美術展を鑑賞した。ピーター.F.ドラッカーが若き日から蒐集していた主に江戸時代、室町時代の山水画、水墨画111点である。ご存じの通り、抽象画であり、非叙述的描きである。空間、絵と文字、墨と多少の色を駆使し描き上げてある。限りなき白に近いグレイ、限りなき黒に近いグレイ、一気に描き上げていく筆力には微妙な墨の掠れもある。日本人でないドラッカーが熱烈な賛美者とはなぜ、作品にふれ、いつも、新しく芽生える驚き、感銘、喜びとは何だろうか、会場でのトークサービスからいくつか掴んでみると、室町時代の水墨画は鑑賞者の異なるアプローチ、西洋美術は鑑賞者に眺められるもの、見られるもの、水墨画は共に生きるもの、従って、コレクターとしての自分は、それぞれの絵を三度も四度も観て真に語りかけてくる、語りかけてきた物を選び、共に家の中で暮らしたいと感じたものを選んできたとの事だ。とすれば、空間の意味、線の意味、言葉、文字、濃淡、表情、この遠近、この事物(山水、草木、河川、物、人、鳥獣・・)どんな関係、対比を訴えているのか感じる事により、それを読みとり、新たなひらめきを沸き出す楽しみであろうか。「見えないものを観る、」「現れていない奥(想い)に触れる」その境地になる事が、新たな想い、楽しさ、喜びを生み出すと言うことだろう。ドラッカーの予見的名著がこのコレクションからの影響もあったのだろうと勝手な推測をする小生であった。

◆「みえないものを観る」の力量を磨く
  管理者としても、このセンスは必要。単に目の前の個別の事象にだけ追われて、その発生する要因、傾向を探索する、洞察する事がなければ、事が送ってくれているシグナルを掴む事が出来ず、類似トラブル発生が潜む。奥に潜むシグナル、雰囲気、空気、無言の訴えをキャッチしての先手管理は必須条件である。
 問題にも見える問題(まずいよ・発生型問題)見えない問題(気になる・探索型問題)がある事は周知の通りである。みえない事を感知して、何故の探索が真因をつかみ出し、先手を打つということだ。従ってPDCAのCもD段階での予見、予知によるキャッチ力が肝心である。未然防止策がそこから施させるからだ。
 
 そういえば、綜合ビル管理事業H社の現場リーダー研修の軸に据えた(創始者の)言葉に「我々の仕事は一秒で人の命を奪う」があった。定期点検、単に三現主義(現地、現物、現実)で見るだけでなく、次期までにどのような変化が起こりうるかを先読みする「観る事」であり、診断の「診る」である。それを怠れば、事故発生で人命に関わるとの覚悟を表現したものだ。点検は短時間、それを一秒と表した。瞬間、最高実践の行使である。
 まさに安全強化月間の今、予知の精度が1:29:300の法則の教えである。でなければ後追いの安全対策となり、その付けは多大である。「想定外」であったとはこの「観る」力量の希薄さを表現したことにもなろう。
  管理職は忙しい。付加価値の生まない後追い処理時間に食われ、建設的時間の確保なくしては、意気込みとした「私なりの結果をだす」事は実現出来ない。

◆「きけないことを聴く」部下との関わり
 
 部下への関わりに願うことは「きけない事を聴く」事だ。それは単に発せられる言葉だけの理解(聞く)でなく、普段見せる振る舞いにもシグナルがあり、話しているその状態の細部に心の奥の訴えがあるということだ。そこに「聴く」の姿勢があり、「傾聴は愛なり」との名言がいきる。聞く場面に着目しても、話し手の発する言葉には語調があり、強弱があり、スピードがあり、併せて表情、姿勢、目線が伴う。これらは心中の表現をしているのであるからこれを汲み取る事である。そして言葉の奥にある何故話しに来たのか、何故このことを言うのか、何をわかって欲しいのかを掴む事である。耳で、目で、心で聴く、さらに相手の心に訊くことだ。
 昨今、メンタル不全、鬱病、パワハラなどの言葉が飛び交っているが、この源はどうも聴いてあげられない、汲み取って貰えないとの心の交流の希薄さが起因であると思えてならない。
 管理職7つの楽しみ方を確認し、活躍心得として、表面だけの見聞で事の多忙に追われることなく混迷の時代、先が読めない時、だからこそ想いを深慮し、改めて現況に潜む、変えて来た企業の力を観て、新たに変える強さを創造する事を楽しむ事である。部下と共に達成の歓喜を共有する信望ある管理職がそこに存在する。
 「正気を取り戻し、世界への視野を正すために、私は日本画を見る」とはドラッカーの言葉である。そこにはじっくりと味わう間、間合いを持ち「語りかけを感受するゆとりを持て」との示唆を頂いている感もする。我が国の持つ文化の奥深さの凄さを改めて学びとした。
 そして、N社の掲げる言葉に「伝えて欲しい事を最高に伝わるように」がある。顧客の欲求をとことん探り出し、その伝える施策を創造し、「おかげさまで」との喜びを結実させる企業パワーが強みであることだ。「観る」「聴く」がここにも生きていると確認し、新たな管理職パワーによる更なる強さ造りを楽しむ事を祈念し、本稿の締めとする。 

最近の主な出講研修例

行政中堅技能員研修

 継続担当している好評研修。1日。第一線での核となる立場で,住民満足をどう,向上するかを軸に、中堅としての活躍条件、意識、仕事の改革への取り組み、住民サービスの実践、活性化された職場形成への取り組み方などを講義、演習、グループワークで親和感、緊張感をバランス良く構成し進めた。慣れない研修受講者だが、受講態度、グループワークでの活発なる意見交換は見事であった。特に日常の誇りある仕事への取り組み状況を紹介する場面などはオーラを感じる逞しさを観た。

経済団体若手社員研修

 中小企業への指導支援機関である。企画から支援しての半日×2クラス、×4回コースの第一回目。2~3年勤務者対象であるので、維持型社員はNO

自ら動ける活躍について、指導する。県内各社からの受講であるので交流の場も工夫して、新たな刺激を生かす進め方に工夫を重ねる。定着対策に寄与することも心しての指導の施しである。

民間企業管理職研修

 7年ぶりの出講。次世代を担う対象者と1日。対話型講義、事例研究、分科会形式デスカッションなどを組み入れ、心のスイッチオン、何をどうするについて確認した。久方ぶりの受講者が大半であるが、さすが,選ばれた受講者である。新たな使命を、経営の一員の立場で活躍するマインド、活躍法など終講でまとめ上げて発表、トップ幹部からの助言で晴れ間を見いだしての更なる活躍のスタートとなった。

行政生涯学習支援セミナー

区依頼による講座「話し方教室」3H。対人感を作り、深めるための話す・聴きかたのコツ、会話の楽しみ方、スピーチへの対応などを講義し,お題拝借スピーチ、テーマを決めてのスピーチを演習。個別にコメント。終えたときの充実感での感謝の言葉は嬉しいものだ。                              等々です。

       お役立て企画です

 「求心力を高める話し方・聴き方のスキルアップ実践講座」

<ネライ> 
 心の交流が協働関係には不可欠である。どうも話しが苦手、聴く・・そんなこと・・。この事が強い仕事集団を瓦解させている元凶である。上に立つ人、核となる人、あなたのためにと寄ってくる協力者は、話す力、聴く力に心が動くのである。磨こうこのスキルを・・。孤軍奮闘から脱皮しよう。

<内容>
 ①求心力が生きる活躍の絵
 ②理解納得を産み出す話し方のコツ
 ③1分間の話し方で試してみよう
 ④話したい心を喚起する聴き方の基本
 ⑤報連相このときの訊く,聴きかたの極意
 ⑥なんと言っても信望ある人か、日常の具体的実践法

  ●演習を最適に組み入れ体得します。

■ 実施の意図が固まりましたご相談下さい。要望事項に対応したオリジナル企画を提案します。

                                                        以  上

(平成27年6月27日  澤田 良雄記)            

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