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  ホーム>髭講師の研修日誌

今年もクールビズの季節がやってきた。環境省からは既に冷房時の室温28度Cでも快適に生活対応出来るよう推進を発表している。地球温暖化対策、節電への取り組みだ。ノーネクタイ、ノージャケット、ワイシャツで無く開襟シャツでも良しとするルール感覚は定着してきている。商店街での売り場には涼しげに快適さを売り込む商品があふれている。まさに軽装でかっこよいビジネススタイルだ。この時期に先駆け体型づくりに精を出した人もいるとのことだ。折角着衣に心しても,露出度を増す事による暑苦しさの目立つ体型ではいかがかと気になるのであろう。また、当初は営業マンが訪問先で失礼にならないかと気になることもあったが現在では互いに認め合う状況である。

 言っても小生は 仕事時にはクールな服装になりきれてないのが現状だ。相変わらず背広にワイシャツ、ネクタイ着用から抜け出せない。決して無理をしている積もりはないが、涼しげな顔をしつつも,服下は汗びっしょりであることも事実。出講先で「クールビズ推進中ですので失礼しますと」気遣いを要求している事の反省もあるのだが,切り替える決断が弱いのである。「私の制服です。職業柄の制服は暑いからと言っても軽装にできないこともあるのだから」と自説を吐いているが、着こなし、体型への自信のなさがブレーキを掛けていることが本音である。読者諸氏はいかがであろうか。

 そこで、今回はクール(cool)感に着目することとした。なぜなら,ビジネス上での戦略、施策、提案検討、意思決定、対人関係、部下育成,リーダーシップの発揮等々でもこのクール対応は不可欠であるからだ。

 クール感覚は的確な遂行力を創造する

 たとえばリーダーシップの発揮に着目しても「企業組織でのリーダーシップとは、思いを決定し、関わる人に発信し、心からの協力を得る。そして、達成のプロセスでは是々非々の統制力を生かし、成果を生み出すことである」と小生は意味づけし、ここには意思決定→発信→協働→統制の流れがあり、その根底には人物的影響力がある。  現実には、実績を形成した人をリーダーシップがある人と称される事が事実であり、人が良いだけではダメ、厳しいだけでもダメと評される。ウオーム(暖かさ)とクール(冷静な判断と言動)の良きバランスが必要であるということだ。そこには是々非々の事実根拠の冷静なる評価による、褒めと叱咤激励が最適に施される事である。そのバランスは個々人によって、集団の特性によって対比は違うことは言うまでもない。

 改めて確認してみよう。coolとは「「冷静」「さわやかな様」「清涼」とか、冷めた様、落ち着いた様との意味であるし、さらに「冷静」の意味を確認してみると感情にかられたり、物事に動じたりしないで、落ち着いている様子と記されている(新明解国語辞典)。このクール感覚の良さを時に目にするプロ野球のマウンド投手に観ることがある。一球一球に表情を崩さず,たとえ打たれてもじたばたせず、抑えても淡々と投げ続ける姿は,見ていても安心感があり、多分相手には重圧を与えているのである。静かなる闘争心が、その都度の条件を読み、投球術を最高に組み立て、その投球が効力を重ねている。時には捕手のサインに首を振ることがある事も確認できる。

 
 ビジネスも同様に、季節、仕事で暑く、熱くなる中でもcool感覚での対応が最適に施されることが肝心である。それでなければ気ばかりはやり、付加価値の生まない空回りの一所懸命であり、付加価値は生まない。また、受け入れられない独りよがりの熱血指導では、動作を真似させることが出来ても「何故,どうしての」知的指導がおろそかになる。

 何事にも,何故の根拠があり、その改革には理にかなう対策がある。だからこそ,関わる人の理解、納得を基に、献身的協力を得て確実なる成果を創造するのである。

 新年度、新任から2ケ月経った。新たな心意気の熱力も新たな条件になじむ頃である。熱き心の無我夢中での活躍に、涼しさを加えて冷静に現況を見据え、実施に向けての最適条件の再考如何と、実践状況を是々非々で診断してみる時期でもある。ムダが在るなら断捨離のクールさで剥がして軽くすることも良い。

いざというとき「冷たい人」になれるか・・。 

 クールの涼しげさから、さらにコールド(cold)と深めてみよう。クールな人から冷たい人の境地である。ビジネス上に置き換えてみると冷たさ、冷酷と詰めていき、「非情」の施しに結びつく。

 先日経営者対象セミナーで倫理経営を説くN講師から「トップとして一番必要な資質を一つあげるとしたらそれは何か」との問いかけがあった。多くは「明朗」であり、「素直」であり、「根性」という。確かに前向きな腹の底からでてくる朗らかさは、周囲に安心を生むし,人も寄ってくる。学ぶ心、事に取り組む素直さは、より器を大きくし発展を期す,企業はトップの器以上に大きくならないと言われる所以である。そして、粘り強さ,参った言わない根性は何事も成就させる。しかし,この資質はトップに限らず、程度の差が在れ、すべての人に共通する事であるとも考えられる。とすれば最も求められるのは何か「非情である」と説いた。企業は環境適応業、絶えず変化に対応せねばならない。それは順調なときばかりでない。時には閉鎖、リストラ,取引停止、融資ストップなど冷酷無比と表される事を決断、実行しなければならない時もある。企業再建の成功例も類した手段の結果である事は周知の通りである。そこには血も涙もないと攻められる事態がないとはいえない。勿論、トップの私利私欲で決するわけでない。冷静なる思考に基づく、戦略、戦術であり、全体の最良な条件作り、先に向けた最適施策であり、個々人の今後の真の喜びづくりなどを前提に考えてのことである。当然人の痛みを感受しつつ、時を経て、感謝の享受を見据えて、自己との戦いを超えてのやむにやまれずの勇断である。

 従って、一時の恨みを覚悟しつつも,あの事があったからこそ今日の自分がありますと解って頂くときが必ずあるとの自信も秘めている。読者諸氏はいざというときの非情さ,いかがであろうか。勿論この事態に追い込まれないことが肝心であるが・・。

 非情な心境での対応場面はトップ・幹部だけではない。身近に引き寄せて見れば、取引事での値引き交
、トラブル時の保証の有り様、育成上の叱り、要請事項への断り、有無を言わせぬ指示、規則違反の懲罰などがある。共通項としては、たとえ一時的な感情的やりとりが生じても、利他主義に基づいて、先に向けての最高状態(相手,全体)づくりを考えてのことである。

 
しかし,実践の現実はたやすくない。それは、いざ実践する時に自己保身にはまるからである。たとえば断りの行使に着目しても、理不尽な要請事項だ、自分では無理だ、断らなければならない、断ることによりもっと良い方策があるはず、断ることが良い方向に向くはずだと判断し、意思決定していても、「あなただけしかいない」「助けて下さい」などと言われると「いい人」にこだわり、嫌われたくない、何とか自分が無理すればとの根拠なき論を自分に言い聞かせ、断り切れずに請けてしまうこともある。「冷たいヤツだ」、そんな人だったのか薄情だな、と言われたくない心情がそうさせているのである。結果がダメだったときには取り返しがつかないと解っていてもである。こんないい人は、まさかの結果になったとき「実は無理だと解っており、断ろうと思った」等との言う言い訳で自己弁護することも多い。まともに向かい合うことのなかった見せかけのいい人が最も「自己保身優先の冷たい」人である。

 コンプライアンスの切り口で追求すればより、毅然とした断りの行使が重要である事は論ずるまでもないのだが・・・。「罪悪感を持ちながらも18年間作曲のゴーストライターをしておりました」との話題も記憶に新しい。

 組織は、仕事は選べない、不可能を可能にするのがその人の力だ、1人で無理なら人の力を借りれば良い・・承知のことであっても、過期待(自己能力での無理)であり時間的制約での事の達成の可否等深慮しても、無理との判断は正論ある。ならば心を鬼にしても断るべきとの、非情さを発信せねばならぬ事も在るはずだ。それが関わる人との最適な関係づくりであるからだ。

 いい人で在りたい,格好つけたいとは誰でも心中にあるもの。しかし,職責を全うする上では情を持ちながらも,超えて冷酷なる対応を断行せざる時もある。上に立つ人の、人をいかし、組織・企業を存続させるとは、この非情な心も金庫に入れている事である。その事が「仕事が出来る人」の条件である。

 ビャーガーデンもオープンした。グイと一気に飲み干す冷たいビールの味は格別である。時候に沿って,気にする言葉に心を添えて記してきた。気がつけば小生の自己改善の診断にもなっているなと気づいた事が面白い。

最近の主な出講研修です。

●新任管理職研修
  
  K法人会主催。35人受講。選ばれた責任と活躍の心意気、戦略、戦術の取り組み条件組織力を最大に生かした職責遂行のマネジメント、業績必達のリーダーシップ、実践スキルのコミュニケーション法、育成推進法、信頼度を磨く日常の対人関係法等について講義、演習を施して進める。受講意欲も高め、充実した研修となった。終了後の相談や以後のメールでのやりとりも楽しい。


新人2日間研修
 

  工具製造販売リーデングカンパニーN企業、17人。10数年継続している研修。担当者とのパートナーシップを生かして、今年度での採用での特徴、担当部門統括の一ヶ月コースでの新人の傾向(講師担当者の所感、現場実習先での指導者コメントなどを情報交換し、今年度の強化ポイント明確にする。研修中は一ヶ月の集大成として、全体、受講者個別への指導に尽力する。研修所感に共通としての掴みと、個別に変えるべき事項を記しているのが嬉しい。半年後のフオロー研修が楽しみである。


●シルバー大学院講演
 
  K生涯大学卒業の高齢者。学ぶ意欲の高い70名。「心豊かに生きる縁作りのための話し方」をテーマに対談方式での進めと,思い切っての会話演習を織り込む。聴く表情に何気なく醸し出す品格と、楽しくしゃべり合う笑顔が良い。大きな拍手で終了するこの瞬間が小生にエネルギーを頂く。

●話し方教室
 
 
都内社教主催。対人関係、スピーチ力を高める演習主体の講座,12人。いきなりのお題拝借スピーチ演習、テーマ(自由・例題選択)2分、3分、4分の申し出でスピーチの演習。演習後即、筋道,話しぶり、声、表情、態度,アイコンタクト等について個別指導。基本条件を皆で共有する。好評講座で長年継続である。

●部下力を高める指導力向上研修
 

 住設関連K企業。中堅リーダー(監督者クラス)対象。15人。育成の重要性、OJT推進の実践法、具体的指導スキル、タイプ別働きかけの法、指導者力を高める人物的影響力の磨き方等の項目を講義、演習、指導ロールプレイを盛り込み2日間研修。日頃の指導の有り様を診断し,更なる部下力を高め,職責を高める実践法を体得できたとの決意表明は頼もしい。
 
                                              等、等です。

                   ******おすすめ企画********

「円滑なコミュニケーションが安全・安心の業務風土を作る」

◆ねらい
  まさかの事故や業務不備によるトラブルはヒューマンエラーに起因することも多い。それは,対人関係、業務遂行のコミュニケーション不足にある。従ってどう徹底すべきかを確認し,その具体的スキルアップを目指す。安心、信頼は,圧倒的安全にある事は周知の通りである。
  

◆内容
   
①心の通う対人関係を高める実践法
   
②トラブルなき指示のあり方
   ③動きが共有化できる報連相の実践法
   ④技の連携は,相互に認め合った相褒めの実践
   ⑤寄ってくるコミュニケ-ションの基は、人物的影響力と聴く力

                                                     
以 上

実施に際しては,時間、目的(安全大会など),受講者の特性などを条件として,対応いたします。実施意図が固まりましたら、どうぞ気軽にご相談下さい。

(平成27年5月27日  澤田 良雄記)            

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