F県内で電気工事関係を主業務とするS社の研修。創業30年、地域での確固たる信頼を得て発展してきた企業である。創業時社員もいまや幹部となり内部の結束力も高い。30年を節目としさらなる伸展を期して、基本を全社員で確認していくとの思いの一日研修である。S社長からの出会いの言葉が「私はワンマンでやってきた。皆ついてきてくれてありがたい。」ということだった。創業者はワンマンがカリスマとなり、皆の信望を得て統率力がいきているはずだ。「正しいワンマン」と口にすることがある。そこには単なる私利私欲を追求するのでなく、三方良し(顧客、社員。会社)、現在は株主を含め4方よしともいうが、いずれにしても羅針盤、舵取り時の判断、決断が3方良しである。だからこそ信頼と安心の儲かる企業として持続性がある。ちなみに儲かるとは信者と書く。従って社員の社会的評価も高い結え、確固たる帰属意識もある。S社長のいうワンマンもそうであると評した。
研修テーマは「皆で楽しむ評判企業づくり」とした。「我が社の社員は良き社員、技術系の専門集団として評価は高い。しかし現状維持はだめ、変わる事をしていこう。できないでなく、知らないから生かせてない能力もあろう。人として、社会人として成長する皆であって欲しい。そこからワンランクアップした活躍で評判をより高めよう」との社長講話を軸に支援した。終講でまとめ上げたのが「我らが成すべき事10か条」である。紹介させていただくと、(若手、リーダー、管理者混合グループでのまとめ)
1.現場、会社周辺、来客等と顔を合わせたら笑顔での挨拶、声がけは先手の実践
2.現場指示は待つのでなく自分から聞く
3.書類等の提出期日、工事依頼書指示は、遅れのないよう明確にする
4.下請け様、他社様とのコミュニケーションを取り、快く支援を頂く
5.現場など、誰が診ても、きれいに見えるよう整理整頓する
6.前日の作業準備の整え、工事帆がけの検討、把握で万全なる作業条件を確保する
7.社内外の情報を共有化する場を設け、関わる人のコミュニケーションの円滑化を図る
8.上司からの声がけで、部下の心を開き、情報の引き出し、質問の機会を創る
9.服装も安心・信頼の条件として、出勤時きちんと確認する
10.社用車の中を綺麗にしておくなど気配り上手の実践をする
ということであった。既に実践してきていることを習慣化し、組織活動に当たり前として定着させていくことの確認である。
読者諸氏はどう感じたであろうか。「当たり前のこと」でも、ABC A=当たり前のことを、B=馬鹿にしないで、C=ちゃんとやる。わかっている(知識)、できる(技術)、やっている(実践)というが最高実践が本当に施されているだろうか。案外、知行不一致の言い訳屋、やってんじゃないかの反省なき未熟者もいよう。時として聞かれる、あのときにちゃんとやっていれば・・との悔いは自己能力を粗末にした結末ではないか。
ちなみに研修は休日、30分前には半数以上の社員は会場入りし、小生と順次出会う初顔社員の挨拶も良いなど、社員気質が育まれている上での研修であったことを記しておこう。 いまやおもてなしが流行だ。敢えてその言葉を意識せずの実践が施されている接客力は今更おもてなし云々は話題にならないであろう。
先日招かれた安全講演会でも、絶対安全とは決められたことを最高実践しているならば、赤チン事故も起こらないはずだ。と確認した。慣れてくるから当たり前のことを軽んじる事は断じて許されない。ABC、本気で継続実践し、やがて無意識の本物に体得する育成実効を高めたいものである。
年度を新たにして、新たな戦略を実践化していくときである。その起点は積み上げてきた当たり前のことの最高実践であり、新たな実践が累積されていくことである。いままでのことがリッセットされることではない。今年度の人材育成もこの思想を生かした計画実施でありたいものだ。
なお、S社とのご縁は経済団体主催セミナーに幹部社員が受講しての社への招聘であった。出会いが、新たなお役に立てる縁ができる事は嬉しいことでである。このことは何事にも通ずることであろう。「今できることのることの最高実践」小生の実践学である。
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